第1問 回答
海藻などの海洋生物によって、吸収・貯蔵された炭素のことをなんと呼ぶ?
A ブルーカーボン
B シーカーボン
C コンブカーボン
答え:A ブルーカーボン
ブルーカーボンとは、海洋生物の作用により、大気中から海中へ吸収されたCO2(二酸化炭素)由来の炭素のことです。別名「海の森」とも呼ばれるブルーカーボンは、脱炭素に向けた新たな手段として世界的に注目されており、四方を海に囲まれた日本にとっては特に期待されています。
ブルーカーボンは、海洋や海岸域に存在し、海洋生態系や湿地、海底の堆積物などによって貯留されます。吸収源としては藻場(海草・海藻)や湿地・干潟、マングローブ林などがあげられ、こうしたブルーカーボンを作り出す海洋植物を「ブルーカーボン生態系」といいます。
大気中のCO2を吸収する方法として、よく知られているのは陸上の植物です。
植物は光合成によりCO2を取り込み、酸素を放出し、炭素を蓄えて成長します。陸上の森林や陸上の植生によって貯蔵される炭素は「グリーンカーボン」と呼ばれます。
グリーンカーボン生態系のCO2の吸収能力が、地球上の生物が排出するCO2の約12%を吸収するのに対し、ブルーカーボンは約30%を吸収するといわれています。
つまり、ブルーカーボン生態系は、グリーンカーボン生態系よりも効率的に炭素を貯留することができるのです。
海洋の藻場やマングローブを再生させることで、海の豊かさを取り戻しながら、温暖化対策にもつながるんです!
第2問 回答
日本は世界で初めて、ブルーカーボン生態系の一つである海草藻場・海藻藻場のCO2吸収量を合わせて算定し、国連に発表しました。 国連に発表した、2022年度の日本国内における海草藻場・海藻藻場のCO2吸収量は、木に換算すると何本分になる?
A カラマツの木 140本分
B カラマツの木 140万本分
C カラマツの木 1400万本分
答え:B カラマツの木 140万本分
日本の固有種である針葉樹、カラマツの木は40年程度で収穫期を迎えますが、その成木になるまでの過程で吸収するCO2の量は、カラマツ1本あたり250kgといわれています。
そして2022年度の国内のブルーカーボン生態系のCO2吸収量は、約35万トン。
カラマツに換算すると、およそ140万本分となります。
140万本の木を植えるとなると、膨大な費用・時間を要する上、広大な陸地が必要です。
地球の7割を占める海洋をブルーカーボンで有効活用することで、陸からだけでなく海からも、CO2吸収・炭素固定を行うことができるのです。
また、こうした環境問題に企業として取り組める「クレジット制度」も注目されています。
2020年度から、ブルーカーボン生態系の保護・育成プロジェクトを対象とした「Jブルークレジット®」の発行が始まり、藻場の保全活動により創出されたCO2吸収量について、保全活動の実施者とCO2削減を図る企業・団体等とのクレジット取引が可能となりました。
Jブルークレジットの認証実績は2022年度に大幅に増えて、ブルーカーボンに関する取組みも拡大しているんです!
第3問 回答
ブルーカーボンは、「海藻藻場」「海草藻場」「塩性湿地・干潟」「マングローブ林」の4つが主なCO2の吸収源とされており、これらは「ブルーカーボン生態系」と呼ばれています。
では、ブルーカーボン生態系のうち、海草藻場に分類されるのは?
A ナガコンブ
B アラメ
C タチアマモ
答え:C タチアマモ
ブルーカーボン生態系とは、主に下記の生態系が挙げられます。
- 海草藻場:アマモ、スガモ等。
海中に花を咲かせ種子によって繁殖する。比較的浅いところに多く、海底深くに生育することはない。主に温帯~熱帯の静穏な砂浜、干潟の沖合の潮下帯に分布する。 - 海藻藻場:コンブ、ワカメ等。
海で生活する藻類。主に寒帯~沿岸域の潮間帯から、水深数十mの岩礁海岸に分布する。 - 湿地・干潟:海岸部に砂や泥が堆積した、なだらかな潮間帯の地形。
干潮時に干上がり、満潮時には海面下に没する場所を干潟と呼び、干潟の陸に近い場所に発達する、ヨシ等が茂る湿地帯を塩性湿地と呼ぶ。 - マングローブ林:熱帯、亜熱帯の川の淡水と海水が混じりあう汽水域に生息する樹木。国内では鹿児島県以南の海岸に分布。
A ナガコンブ・B アラメは海藻、C タチアマモは海草に分類されます。
私たちが養殖するコンブは海藻藻場に属します。杉の木と比較すると、約4.5倍ものCO2吸収効果があるといわれています!
ブルーカーボンは、こういった海の植物が大気中のCO2を吸い込むところから始まります。
海草やマングローブは、CO2を使って成長し、炭素を自分の体にため込みます。さらに、枯れた葉や枝が水底にたまると、その炭素も一緒に土に埋まり、長い間そこに閉じ込められます。
その閉じ込められる期間は、グリーンカーボンが数十年であるのに対し、ブルーカーボンは数百年〜数千年単位です。
そしてブルーカーボン生態系は、効率の良いCO2吸収源としての役割だけでなく、水質の浄化機能や水産資源の活性化など、さまざまな恩恵をもたらしてくれます。
ブルーカーボン生態系の保護活動を行うことで、環境問題解決の取組みに貢献できるだけでなく、人々の豊かな暮しにもつながっていくのです!
監修
「コンブ」で海を守る企業
横浜市金沢区にて、コンブの養殖を通じて海洋の保全活動を行っています。
養殖だけでなく、コンブを収穫できるイベントや、育てたコンブの商品開発などを進めており、
コンブの可能性を広げる活動をしています。
▼12/8(日)コンブの種付けイベント開催!
参考