SDGs達成のための取り組みが多くの企業で行われる中、商品のパッケージにもサステナブルな取り組みが求められています。カンキョーダイナリーを運営する紙加工メーカー大昭和紙工産業では、「紙で環境対策」を掲げ、紙化の取り組みを推進中。SDGs時代のサステナブルな包装資材として紙製パッケージをおすすめする理由を、全4回の連載の中で解説していきます。第3回となる今回は、包装紙についてご紹介します。
包装紙とは?
百貨店やデパートでよく使われる包装紙。贈り物の見栄えをよくすることはもちろん、受け取る人に特別なものとして感じさせるギフトラッピングの必需品です。
包装紙とは商品を包む紙の総称で、耐久性や防湿性、防水性など、包むものによって求められる特性が異なるため、種類が多いのが特徴。商品イメージやギフトを贈る相手、季節やイベントに沿った色・柄・手ざわりなど、シーンに合わせて包むことができる万能な包装資材です。
近年では、環境配慮へのニーズが高まっており、包装資材の「脱プラ」と「紙化」に注目が集まっています。プラスチックごみの削減、リサイクル可能な環境に優しい製品設計へと対策する企業が、よりサステナブルな包装資材として紙パッケージを採用するケースも増えています。
包装紙の種類
絵柄を印刷する前に、検討しなければならないのが包装紙の種類。ここでは、大昭和紙工産業でご提案している代表的な包装紙をご紹介します。それぞれの特徴を知って、包装紙選びの参考にしてみてください。
上質紙
表面に塗料が塗られていない、光沢やツヤの少ない用紙です。木材や草から抽出された素材の化学パルプ100%が原料で、表面のコーティング加工がないため、筆記性や可読性に優れています。ノート、プリント、書類、名刺など、私たちの身の回りにあるさまざまな印刷物に使われています。
コート紙
上質紙や中質紙の表面をコーティングした用紙です。表面がツルツルしていて光沢感があり、普通紙よりも滑らかです。発色性に優れており、鮮やかに印刷できるのが特徴です。写真などを多用するファッション誌やスポーツ誌でもよく利用されています。
未晒クラフト紙
クラフト紙には、全く漂白していない「未晒」、半分漂白した「半晒」、白くなるまで漂白した「晒」の三種類があります。その中でも、未晒クラフト紙は、光沢のない茶色い紙で素朴な風合いがあることから、カフェや雑貨屋など、ナチュラルなイメージを出したい商品の包装に多く使われています。
純白ロール
片面を白くなるまで漂白したクラフト紙でできており、平滑性と光沢感が特徴です。印刷適性に優れているため、ロゴや柄などを入れたオリジナル包装紙の作成にも適しています。小袋用や日めくりカレンダーの用紙にも使用されます。
ファンシーペーパー
紙の色や柄、手触り感など、感覚に訴えかける高級紙や特殊な素材で作られた用紙。独特の質感や色合い等そのデザイン性の高さから、包装紙以外にも、本の装丁やフライヤーなどにも使われます。普通紙とは一味違った高級感や特別な演出をしたい方におすすめです。
包装紙を採用するメリット
贈り物の第一印象となる包装紙は、贈り手の気持ちを示すとても大事なもの。シーンに合わせ、素敵な包装紙でラッピングされたプレゼントを受け取れば、どんな素敵なものが中に入っているのか心踊らせるでしょう。
包装紙が注目されるのは、贈り物を渡した時から開封するまでの短い間かもしれませんが、包むものや利用シーン、表現したいブランドイメージなどを考慮し、紙の種類からサイズ、デザインに至るまで細かに検討していきます。
では、このようにこだわりを持って包装紙を採用することで、企業側にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
製品のブランディングに最適
商品を包む役割の包装紙ですが、デザイン次第でお店や企業のイメージを左右すると言っても過言ではありません。また、紙質が変わるだけで印刷をした際の仕上がりイメージや手に取った時の印象は大きく変わってきます。包装紙を採用する際は、演出したいブランドイメージを念頭に置きながら、検討しているデザインに最適な紙を選ぶことが大切です。
様々な包み方が可能
商品の種類やサイズに合わせて、柔軟に包むことができるのも包装紙の特徴のひとつ。ラッピングの基本となるキャラメル包みや、百貨店やデパートのギフト包装で多く使われる斜め包みなど、贈り物のシーンに合わせた包み方が可能です。また、包み方で祝儀・不祝儀の区別がつけられるため、慶弔などのフォーマルなシーンにも安心して使うことができます。
包装紙がエコにつながる理由
世界中で進む使い捨てプラスチック削減の取り組みに加え、日本も2030年までに使い捨てプラスチックを25%排出抑制する目標を掲げています。
これには、地球環境における諸問題以外に、日本がこれまで廃プラスチックを輸出していた諸外国が、輸入の規制強化に乗り出したことも背景にあります。なかでも、主な輸出国であった中国は、2017年末に生活由来の廃プラスチックの輸入禁止を宣言。行き場を失った廃プラスチックの処理についてもあらためて考えなければならない今、政府は「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」に加え、再生可能資源への適切な切り替えを意味する「Renewable(リニューアブル)」を基本原則として政策を推進しています。
そしてこの「Renewable」を促進するため、注目されているのが紙素材です。食品、化粧品、アパレルなど、さまざまな業界で包装をプラスチックから紙へと切り替える動きが加速しています。では、なぜ紙パッケージが選ばれているのでしょうか?
紙は木を原料とする持続可能な素材
プラスチックは石油由来の資源ですが、石油は枯渇していく資源であり、その生産・使用に当たり環境に大きな負荷を与えます。一方、紙は木から作られており、植林や適切な森林管理を通じて再生可能な資源です。また、きちんと分別してリサイクルさえすれば、新たな紙製品として生まれ変わる優秀な資材。さらに、木は成長する過程で大気中のCO2を吸収し、パッケージなどに利用された後や役目を終え焼却処分されたとしても、カーボンニュートラルなサイクルを生み出すことができる素材です。こうした理由から、環境負荷が低いサステナブルな包装資材として、紙を使ったパッケージが注目されています。
自然由来で、生分解性がある
プラスチックは、海に流れ出してもマイクロプラスチックとして海洋環境に半永久的に残り続け、生態系に深刻な影響を及ぼします。一方で、紙は自然由来の素材で作られているので、自然の条件下で分解されるという性質があります。意図せずに自然環境へごみとして流出してしまうリスクを考えると、環境への負荷を減らす観点から、「可能なものは紙に置き換える」という選択をする企業が増えてきています。
さらに!一歩進んで環境に配慮するなら
紙製パッケージを採用する際は、使用する原紙やインキをうまく選択することで、さらなる環境配慮につながります。ここでは、包装紙の採用を検討する際、さらに一歩進んで環境配慮をアピールしたい方向けに方法をご紹介します。
FSC®︎認証を取得した原紙を採用する
FSC®︎認証とは、適切に管理された森林で伐採した木材を消費者に届け、得られた利益を生産者に還元する国際的な森林認証制度です。適切に管理されていると認定された森林自体に付与される「FM認証」と、生産、加工、流通に関わるすべての組織が認証を受け、トレーサビリティを担保するために付与される「CoC認証」。この2つの認証の連鎖から成り立っています。
消費者は、FSC®︎マークを目印に製品を選ぶことで、森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を選んで購入することができます。
インキを植物性のものにする
包装紙に使われる印刷インキといえば、石油から作られたインキが一般的でしたが、近年では植物から採取できる植物油を使ったボタニカルインキやノンVOCインキが普及しています。印刷の仕上がりとインキとの相性を考えながら、イメージしている包装紙に合わせて印刷インキにもこだわってみましょう。
過剰包装にならないよう注意する
昨今、パッケージ業界でも問題視されている過剰包装。商品を美しく見せるために箱や袋、リボンなど必要以上に多くの資材を使って包装されているものが多く見受けられます。相手方を思いやり、つい過剰に包装しがちですが、ごみの減量を図るうえで過剰包装にならないよう対策することはとても重要です。
パッケージの紙化は大昭和紙工産業へ!
長年、紙加工業界をリードする私たち大昭和紙工産業では、用紙・紙質の選定からオリジナルデザインのご提案までさせていただきます。
また、四六全判(B全判)の大判印刷に対応。印刷オペレーターの豊富な知識と長年の印刷経験をもとに、他社には真似のできない和紙など特殊紙への印刷も可能です。
さらに、社内に専属のデザイナーが在籍していますので、オリジナルデザインの描き起こしからご提案をさせていただくことができます。紙の一次卸をおこなっている大昭和紙工産業だからできるコストを抑えた紙選びも魅力のひとつ。
近年では、サステナブルな取り組みを消費者にアピールできる、大昭和紙工産業オリジナルの環境配慮マーク「木を植える®︎マーク」「海を守る®︎マーク」の提供を開始。紙製パッケージを活用した、一歩進んだ環境対策におすすめのサービスです。
紙製パッケージの採用をご検討の方、環境配慮に力を入れて取り組みたい方は、ぜひ大昭和紙工産業までお問い合わせください。