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ゴミ清掃芸人マシンガンズ滝沢秀一|日本のゴミの「マジなこと」

社会システムがゴミを生み出す。ゴミ大国日本のゴミ処理の現状

街中でゴミを見ない「キレイな日本」ですが、ゴミ清掃員の視点から見て日本のゴミの現状は良い状態と言えるのでしょうか?

マジなことを言いますと、街中一見きれいだなって思いますけど、結構雨水のところをちょっと覗き込むとタバコだらけだったりするじゃないですか。だから見えないところに押しやっているだけで、意外とゴミってまだまだ全然あると思うんですよね。


マシンガンズ滝沢秀一

問題点は、買った時に捨てることを考えるのがやっぱり大事かなと思っていて。去年のコロナ禍では外出自粛になって、今まで外で飲食していたゴミが全部家庭に押し寄せて、さらにみんな断捨離を始めたんですよね。洋服とかもうすごいんですよ。要は、結構ものが溢れている状態だと思うんです。だから買うときに「これ本当に使うのかな」っていうことを考える必要がありますね。

社会のシステム自体がゴミを生み出しているっていうところはあるんです。食品ロスの問題とかもすごくて「本当にこれ捨てるの?」っていうような高級ゼリーとかメロン丸ごと3つとか、スイカ丸ごととか。多分誰かにもらっているんですよね。だからもう根本的なところから直していかないと、多分ゴミで埋まるんだろうなって思います。

 

\「捨てる」を当たり前にしないために/


マシンガンズ滝沢秀一

最近はSDGsの教育がされていて、若い人の方が意外と「牛乳って前から取るんですよね?」みたいなことを当たり前のように言うんですよ。俺おふくろから「奥から取りなさい!」ってちゃんと言われたもん。「損した気分になるでしょ!」って。だから今の若い子達が手前から当たり前のようにとるって教育の成果だと思うんですよ。ほんとに時代がゴトリと動いた感じがしましたね。

安く大量に生み出している企業のものってどうなんだろうなって僕なんかは思ったりするんですけどね。SDGsで色々教育している中で企業がどうやって残っていくかって考え直さなきゃいけないと思いますね。

ゴミから生活が分かると言いますが...

一番驚くのは量ですね。高級住宅街より一般的な住宅街の方がすごい量がでます。中身を見てみると、洋服だったり、100円ショップの品物だったり。食品ロスもたくさんありますし。この話をすると「金持ちは家が大きいからスペースがあるから...」「外で飯食ってるから出ないんだろう。」とかよく言われて、それもそれであるんだろうけど、問題点は「適当に買って適当に捨てる」っていう気持ちの面を見て欲しくて。金持ちのところってアルコール度数9%の空き缶とか出ないですもんね。パチスロ雑誌が大量に出てくるとか見たことがないから。お金の使い方の違いがゴミから分かります。


マシンガンズ滝沢秀一

ちょっと背伸びしたものって長く使えませんか?僕はそうしてるけど。僕はゴミ清掃を始めた当時、ちょっと高いマイボトルを買ったんですよ。もう10年使ってます。当時はやっぱり僕にとっては5,000円高かったんですよ。その思いがあるから捨てないですもん。今は「アンティークものか」って言われてますけど(笑)。1,000円くらいで買うと「こんなのいいや、新しいの買おう。」ってなっちゃうんですけど、やっぱり高いの買ったから捨てないです。

数年前からSDGsやサステナビリティの考えが浸透してきていますが、ゴミ清掃員としての10年間の活動で、変化を感じたことはありますか?

全く変化はないです、全く。やっぱり教育ってそんなにすぐに効果が出るとは僕は思っていなくて、SDGsの教育ももう5年くらいやってるじゃないですか。この言葉1つ広がるのにも5年かかっていると思うんですよね。


マシンガンズ滝沢秀一

僕がゴミ清掃をやってて思うのが、ペットボトル一つとっても分別するようになるまでにこれだけ時間かかるんだって。なのでSDGsっていう言葉がちょっと広まったくらいで、ゴミの部分まで来るのはまだまだだと思います。

でも「分けないからダメ」ってことじゃなくて、「何で分けないんだろう?」って考えるっていうことが歩み寄ることだなって思います。やっぱりおばあちゃんとかだとなかなかラベル剥がすのが大変だったりするし、子どももいるし、外国人もいるし、やってないから除け者にするとかそういうことじゃないと思うんですよね。だからもっともっと時間がかかると思いますよ。だからこそ同じ強度でずっと同じことをしなきゃいけないんです、僕らの周知活動って

 


 

【次ページ】清掃員が教えるゴミ捨てのたった1つのコツ

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