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二酸化炭素固定とは?|1分で学べる環境問題

二酸化炭素固定とは?|1分で学べる環境問題

二酸化炭素固定(CO2固定化)ってなに?

みどりさん

あぁ〜暑い!今年の夏の暑さは本当に異常よね。
地球温暖化を通り越して、いよいよ地球沸騰化の時代がやってきたって話じゃない…。カーボンニュートラルを実現させて、2050年までに排出二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにする目標が政府から掲げられてるけど、本当に間に合うのかしら?

いぬ

そうだね。どこの企業も二酸化炭素を減らす取り組みはしているけど、製品を作り販売する企業経営をする上で二酸化炭素を出さないっていうのは本当に難しいことだよね…。
そこで、最近「二酸化炭素固定(CO2固定化)」っていうキーワードが話題になっているけど、ママは知ってる?

みどりさん

二酸化炭素を固定…!?
気体を固定するって、いったいどういうこと?

いぬ

簡単に言うと、地球の大気中に増え続けて悪さしている二酸化炭素を取り込んで、何らかの方法で二酸化炭素を留めて大気中に放出しないようにすること。大きく分類すると「二酸化炭素固定(CO2固定化)」には、自然による炭素固定と、人工による炭素固定の2種類があるんだ。まずは、自然による炭素固定から説明するね。

自然による二酸化炭素固定(CO2固定化)とは…。

いぬ

小学校の理科で習った「光合成」がもっとも一般的な自然による炭素固定なんだよ。植物は成長する過程で二酸化炭素を吸収して蓄えているのは知ってるでしょ?老木に比べて、若い木の方が成長スピードが早いからたくさん二酸化炭素を吸ってくれるんだよ。

光合成

 

みどりさん

若い木の方がたくさん二酸化炭素を吸収するなら、何十年も前に植えて成長の止まった老木は、適切に収穫して苗木を植える「植樹活動」をどんどん推進するべきね。

いぬ

そうなんだ。植樹などで生息する、陸上の植物により吸収される炭素のことを「グリーンカーボン」と言って、排出された二酸化炭素のおよそ12%が吸収され植物の中に蓄えられるんだって。この「グリーンカーボン」に対して、今注目されているのが「ブルーカーボン」。これは、海中の海藻や植物プランクトンの光合成により吸収される炭素のことを指していて、その吸収率はなんと30%!実は、陸上の植物より上回っているんだ。

みどりさん

えっ、びっくり!今まで聞いたこともなかった「ブルーカーボン」の方が二酸化炭素削減に役立っているのね。でもまぁ、地球上の7割は海って言われてるし、よく考えるとちょっと納得できるかも。

 

\ブルーカーボンはこちらもチェック/

人工による二酸化炭素固定(CO2固定化)とは…。

いぬ

次に、今注目されている科学や装置を使った「二酸化炭素固定(CO2固定化)」について説明するよ。


①化学吸収

化学吸収

大気中の二酸化炭素を、アミンや炭酸カリウムなどのアルカリ性溶液に溶かす方法で、現在のところ割と主流の固定技術なんだ。


②物理吸着

物理吸着

この技術は、二酸化炭素を含む排気ガスをゼオライトや活性炭、アルミナなどの吸着剤に接触させ、二酸化炭素を吸着させて固定するんだ。特に鉄鋼業のように、濃度が20%を超える高濃度のCO2を排出する場合に実用されているらしいよ。


③炭化固定

炭素固定

木や竹などのバイオマス素材を燃焼させて、炭にして固定すると言うやり方があるんだ。その他に、液体にして閉じ込めて地中や海底に貯蔵しておくなんてのもあって、様々な企業や団体が研究開発を進めているんだ。

みどりさん

木や竹などを燃やして炭にすることで、二酸化炭素を閉じ込めて固定しておけるなんて初めて知ったわ。
でも、大気中の二酸化炭素が閉じ込められた炭って、その後どうなるのかしら?

いぬ

たしかに、二酸化炭素が閉じ込められた炭の使い道って気になるよね。
燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350℃超えの温度でバイオマスを加熱して作られる固形物、いわゆる大気中の二酸化炭素が閉じ込められた炭は「バイオ炭」と呼ばれて、水質浄化や土壌改良などを目的に様々な場所で活用されているんだ。
農地に撒かれた「バイオ炭」は土壌の保水性や透水性を向上させるだけでなく、中和作用や水質の浄化といった土壌改良効果をもち、作物の収穫量を増やす効果が期待できるんだって。
最近では、「バイオ炭」をコンクリートに混ぜて、二酸化炭素をオフセットすることができる「バイオ炭コンクリート」というものも登場しているんだよ。建築資材など、何十年も長期間継続的に使用する資材に二酸化炭素が閉じ込められる取り組みが世界中のスタンダードになっていけば、今直面する地球温暖化問題も解決に近づきそうだね。

みどりさん

そうね。ちょっと安心したわ。
二酸化炭素固定をドンドン進めて、2050年までに排出二酸化炭素(CO2)を実質ゼロが実現できるように頑張りましょう!

 

\カーボンオフセットはこちらもチェック/

 

キーワードのまとめ

  • 二酸化炭素固定(CO2固定化)とは、二酸化炭素を自然もしくは人工的に閉じ込め、大気中に放出しないようにする取り組みのこと。
  • 自然による二酸化炭素固定(CO2固定化)とは、陸上での「グリーンカーボン」と海中での「ブルーカーボン」の2種類があるが、主に「光合成」による吸収のことをいう。
  • 人工による二酸化炭素固定(CO2固定化)とは、「化学吸収」「物理吸着」「炭化固定」など様々な技術や方法により二酸化炭素を閉じ込めることで、新しい用途で活用され始めている。

 

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