ごみ問題の解決に繋がる「エコセメント」ってなに?
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燃えるごみと焼却灰
「美術館みたいなゴミ処理場」として注目されている武蔵野クリーンセンターを見学してきたわ!ごみって回収して燃やせば無くなるわけじゃないのね...。
可燃ゴミは燃やせば完全に消滅するって思っている人も多いけど、実は焼却灰が必ず発生するんだ。焼却灰は最終処分場に運ばれて埋め立てられるんだけど、埋立地として使える場所はどんどん減っているみたい。2020年の3月末時点で、日本の最終処分場は残り21.4年しか使えないって計算されているよ。
21.4年なんてあっという間!何か取り組みをしないと、一人ひとりがゴミを減らすだけじゃ間に合わないんじゃ...。
廃棄物を完全になくすことは難しいから、焼却灰を埋め立てない方法を考える必要があるね。実は、これまで埋め立てられてきた焼却灰を原料とした、環境にやさしい「エコセメント」っていうものがあるんだ!
埋立を減らす「エコセメント」
焼却灰をセメントにできるなんて、すごいわね!焼却灰をセメントする作り方は?
セメントの原料になるのは石灰石、粘土、けい石、鉄原料など。ごみの焼却灰には、セメント製造に必要な成分が全て含まれているんだ!ごみ処理場では、エコセメントの基準に適合した灰にするために、焼却灰を細かく砕いて、金属などを取り除いているよ。
武蔵野クリーンセンターで出た焼却灰は、西多摩郡日の出市にある二ツ塚最終処分場の施設で、エコセメント化されているんだって!
普通のセメントと使い方も同じなの?
エコセメントは2002年7月に、日本工業規格(JIS)に定められていて、普通のセメントとほぼ同じ品質なんだ。使い方も普通のセメントと同じで、コンクリート製品を中心に、道路側溝や歩道用ブロックなど幅広い用途で使用されているよ!
※画像はイメージです。
※セメントとコンクリートの違い…セメントに水・砂・砂利を混ぜ合わせるとコンクリートになるよ!
\スタッフの見学レポート/
キーワードのまとめ
- 可燃ゴミは燃やせば完全に消滅するわけではなく、焼却灰が発生する。
- ゴミを埋め立てられる場所はどんどん減っていて、最終処分場の確保は厳しい状況。
- エコセメントは、これまで埋め立てられてきた焼却灰を主原料とした、環境にやさしいセメント。
(参考1)武蔵野市作成パンフレット「武蔵野クリーンセンター」
(参考2)環境省ホームページ「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度)について」