拡大生産者責任(EPR)
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拡大生産者責任(EPR)って何?
プラスチック資源循環促進法(プラスチック新法)が施行されて、改めて注目されている拡大生産者責任(EPR)ってどんな考え方か知ってる?
経済協力開発機構(OECD)が2001年に策定したガイダンスマニュアルによって世界的に認識された、拡大生産者責任(EPR:extended producer responsibility)は、文字通り「生産者の責任を拡大する」ということ。
生産者が製造した製品について、使用済みの段階まで責任を拡大する、という環境政策の概念で、廃棄物・リサイクル問題を背景として制定された、循環型社会形成推進基本法でも導入されているよ。
経済的発展や社会的関心、環境保護の間のバランスをとりながら、持続可能な発展を実現しようという動きを背景に、製品回収の責任を生産者に持たせるという環境政策の考え方なんだ。
製品回収の責任って具体的にどういうこと?
簡単に言えば、これまで地方自治体が負担していた、使用済みの製品の回収・廃棄・リサイクルにかかる費用を生産者に負担させること。
拡大生産者責任という考え方自体に義務はないけれど、この考え方を元にして作られた法律で義務が規定されているよ。日本では、容器包装リサイクル法などのリサイクル法があるね。 行政が負担していた社会的費用を減らすことができたり、できるだけ処理にコストがかからないように、環境によい製品を設計するように促す効果が期待できるよ!
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貧富の格差の問題解決も
生産者の負担が増えるデメリットを感じる人も多そうだけど...
責任を持ってリサイクルの推進に貢献できれば、循環型社会の実現や、企業イメージの向上にも繋がるなど、メリットも大きいんだ。
世界全体で見ると、生産者が廃棄物の処理をすることは、貧富の格差の問題解決になる可能性もあるよ。
製品の回収と貧富に関係があるの?
例えば、グローバル企業の製品で使われているプラスチック包装の処理が人件費の安い貧しい国に押し付けられている現状があるんだ。
貧しい国では、リサイクル設備が整っていないことが多く、処理の過程で有害物質を吸ってしまったり、不衛生な廃棄プラスチックに触れなくてはいけなかったり、色々な問題が...。 環境や貧困問題のために、回収まで責任を持っている企業の商品を選びたい!という人もますます増えそうだよね!
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キーワードのまとめ
- 拡大生産者責任(EPR)は、製品回収の責任を生産者に持たせるという環境政策の考え方
- これまで地方自治体が負担していた、使用済みの製品の回収・廃棄・リサイクルにかかる費用を生産者が負担
- グローバル企業の製品のプラスチック包装の処理が、貧しい国に押し付けられている現状が改善するかも
(参考1)財団法人クリーン・ジャパン・センター(2001)拡大生産者責任政府向けガイダンスマニュアル
(参考2)映画『The Story of Plastic』(2019)
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