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ポリぶくろ、1まい、すてた| 小学生でも読みやすい!環境問題が学べる絵本

ポリぶくろ、1まい、すてた| 小学生でも読みやすい!環境問題が学べる絵本

ダイナリー図書館では、これからの地球のために、自分ごととして環境問題に取り組むキッカケとなれるよう、カンキョーダイナリー(環境>)おすすめの本や映画などをご紹介していきます。

実在する女性の実体験をもとにしたストーリー。
ポリ袋のゴミが自国にもたらす重大な環境問題とは。

あなたは今までの人生で何枚ポリ袋を捨てましたか?

実在する女性で主人公のアイサトはヤシの葉で編んだカゴが壊れて困っていた時に偶然、ポリ袋を見つけ、便利さに気づく。知らず知らずのうちに使い捨ての生活に慣れてしまったアイサトや村の子どもたち。アイサトは大人になって初めてポリ袋がもたらす様々な問題に気づき、解決のために奔走する、というストーリー。

私たちが住む日本ではゴミ処理のインフラ環境が整っている地域が多いため、アイサトが体験したように自分が捨てたポリ袋が道に溢れかえるようなことはありません。 この絵本では身近ではあまり実感できない、ポリ袋のゴミが原因で起こる環境問題が1つのストーリーでわかりやすく描かれています。世界でも関心が高まる環境問題にふれる内容は、夏休みの宿題で出題される読書感想文の作文にピッタリ!2020年には小学3年生、4年生の課題図書としても選ばれています。

ゴミをゴミで終わらせない取り組みが今、求められている!

アイサトはあるアイデアで、ポリ袋のゴミから一つのビジネスを作り上げ、環境問題に立ち向かっていきます。 昨今の日本でもゴミを焼却してできた灰をセメントとして利用したり、海洋プラゴミを利用したアート作品や樹脂素材が売り買いされるなど、ゴミをゴミで終わらせない取り組みが増えてきています。この絵本のストーリーの中から得られる刺激は、あなたを環境問題解決に向けて動かすきっかけになるかもしれません。

こんなものもビジネスに!?ゴミを活用した意外な取り組み

ゴミやゴミになる予定だったものに注目し、それをリサイクル、アップサイクルする取り組みが日本で増加しています。ここではそんな取り組みの一部をご紹介。

 



①エコセメント


焼却したゴミからできた灰を、建築物や公共の椅子などの材料として利用する「エコセメント」。焼却灰には石灰石、粘土、けい石、鉄原料などセメント製造に必要な成分が全て含まれており、埋め立てるのみだったゴミの焼却灰を有効活用しています。


 

東京たま広域資源循環組合(東京都)

可燃ごみの焼却灰を「エコセメント」にリサイクルすることで、資源循環型社会に大きく貢献する東京たま広域資源循環組合。


\エコセメントについて詳しく学ぶ!/



②海洋プラごみで作る、実用的なアート作品


海に浮かんでいたり、砂浜に漂流したりする海洋プラスチックゴミを回収し、粉砕、熱プレスして板材を製作し販売している。同じものが作れない1点もののマーブル模様の魅力的な板材はホテルのルームキーや、トイレのピクトグラム看板などに使用されています。


株式会社REMARE(三重県)

「地球の7割を遊び場に変える きれいな海を100年後の子どもたちへ。」をスローガンに、海洋プラスチックのアップサイクル事業をアート活動として行なっている株式会社REMARE。




③ホコリの着火剤


タオルの産地として有名な愛媛県今治市。本来であれば廃棄する予定の綿ホコリを着火剤としてアップサイクルさせて商品化し、話題を呼びました。処分するのに費用もかかっていたホコリを発想の転換で商品として生まれ変わらせ、ゴミを減らすことに貢献した地球に優しい取り組みです。

 

西染工株式会社(愛媛県)

今治タオルを中心とした染色整理業を営んできた西染工株式会社。タオル製造工程の中で染色工程後の乾燥機内で発生した様々な色のホコリを組合せ、カラフルでサスティナブルな着火剤を提供している。

ビニール袋のコラージュで表現されるデザインもおしゃれな絵本

ポリ袋が与える環境への問題を題材にしたこの絵本では、各ページがカラフルな紙と使い古しのポリ袋で表現されています。アイサトが実際にビジネスにした、ポリ袋を使った「あるもの」も実物を使って表現されていることでストーリーのリアリティが伝わりやすくなっているように感じます。あとがきでは作者のミランダ・ポールさんが直面した環境問題で感じたことや、ストーリーの舞台となったガンビアでのプラスチックバッグ問題の年表、アイサトの現在の活動内容など、今につながる情報も得ることができます。

 

豆知識メモ|図書館を使ってさらにエコ!

アイサトさんの村にも図書館が



図書館


ご紹介した「ポリぶくろ、1まい、すてた」でのアイサトさんの活動から生まれた収入の一部は、ンジャウ村の教育センターに寄付されており、2012年にはその教育センターの中に図書館が出来ました。どんな人でも利用できる地域の図書館は子どもたちの学びの場となり、この本もまた、ンジャウ村の図書館に寄贈されて何度も読み返されているそうです。



今回の本の紹介は図書館から



図書館で借りた本の写真


今回はカンキョーダイナリーで取り上げた本では初めて、図書館から本を借り、ご紹介しました。 購入した本は読み終わったら終わり、というケースがほとんどですが、図書館から借りることで一冊の本が何回も利用され、廃棄される本の量も減るので、図書館はとても環境に優しい施設といえます。 現代の図書館はとても便利で、スマートフォンを使って近くの図書館まで希望する本を取り寄せたり、館内で映画のDVDを見たりもすることもできます。国民の税金で運営されているので図書館の利用はもちろん無料。最新の本や週刊誌、マンガが置いてある図書館も。 環境問題という観点から、ぜひお近くの図書館に足を運んでみてはいかがでしょうか?人生を変えるような本と出会うきっかけになるかもしれませんよ?

【著者紹介】

作:ミランダ・ポール

小学生のとき、「シリアルの空き箱でクリスマスかざりを作ろうコンテスト」に優勝。それ以来、リサイクル工作が大好きになり、今でも、教師と作家の忙しい仕事の合間をぬって、リサイクル工作を楽しんでいる。ここ10年間、何度も西アフリカのガンビアを訪れ、教師、フェアトレードとリテラシー(識字教育)の提唱者、そして、ジャーナリストとして活動。現在は米国ウィスコンシン州グリーンベイで、夫と二人の子ども、10の本棚、100の新しいアイデアとともに暮らしている。

絵:エリザベス・ズーノン

画家。西アフリカのコートジボワールで育つ。現在はニューヨーク州のオルバニーで絵を描いたり、シルクスクリーン印刷をしたり、縫い物をしたり、楽しい空想にふけったり、ビーズジュエリーを作ったりして暮らしている。エリザベスの作品は、コートジボワールで過ごした子ども時代の経験が反映されている。絵本作品に「風を捕まえたウィリアム」(さ・え・ら書房)など。

訳:藤田千枝

子ども向けの科学の本を執筆、翻訳。訳書に「周期表完全版ー愉快な元素たち!ー」(玉川大学出版部)、「ミイラになったブタ」、「サルが木から落ちる」(さ・え・ら書房)、原案に「まほうのコップ」(福音館書店)など。科学読物研究会会員。

【商品詳細】

出版社:さ・え・ら書房

発売日:‎2019/2/15

言語:日本語

単行本(ソフトカバー):32ページ

 

\読みたい本がきっと見つかる!/

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