家族や親戚など、大勢で過ごす時間も増える年末。せっかく大勢で過ごせるなら、環境問題が学べるゲームで遊んで盛り上がるのはいかがでしょうか?
子どもと一緒にゲームするなら、環境知識が身に付くゲームがおすすめです。普段遊んでいるゲームから環境への意識が生まれれば、ゲームの時間も学びの時間として有効活用できるでしょう。
この記事では、親子で楽しく遊びながら環境問題を学べるゲームの紹介と、一方でビデオゲーム業界が抱える環境問題を解説します。
遊びから環境問題への理解を深め、普段の生活にも活かしていきましょう。
ゲームを通して環境問題を学ぶメリット
ゲームを通して環境問題を学ぶことには、勉強で学ぶよりも「楽しく環境問題が学べる」「親子で過ごす時間を作れる」といったメリットが存在します。
環境問題を子どもに理解させたくて、今地球で何が起きているか、なぜ環境問題への意識が必要なのかを子どもに伝えても、子どもにとっては難しい話に感じるでしょう。
環境問題を知ることは、難しい本を読んだり、勉強したりする感覚に近く、興味が持てない子どもがいても仕方ありません。 ところが、ゲームを利用すれば、勉強が苦手な子どもにも興味を持たせやすく、楽しく環境問題を学ばせることができるはずです。
また、一緒にゲームすることで親子で過ごす時間も増やすことができます。
普段きっかけがなく、なかなか家族の時間が作れない場合も、この季節に環境問題を取り上げたゲームで自宅時間を一緒に過ごしてみませんか。
親子の時間を増やすタイミングにもなり、楽しく学べるのが環境問題をモチーフにしたゲームの魅力です。
ゲームのモチーフになる環境問題とは?
本記事でご紹介するゲームで取り上げられている環境問題は、子どもでも興味を持ちやすい、日常生活でも身近な問題が多いです。 身近な環境問題の情報は、学べばすぐに日々の生活に活かせるので、どのような環境問題があるのか知っておき、子供から質問があったときすぐ答えられると安心です。
ゴミ問題
ゴミの分別や海や川に捨てられるゴミ、埋立地の問題など、ゴミに関する環境問題の総称がゴミ問題と言われています。特に、ゴミの分別は身近な問題であり、学んだ次の日から意識して直せるポイントです。
子どもがまだ小さいうちは、紙ゴミやプラスチックゴミ程度の認識でも問題ありません。
ゴミをきちんと分別して、決められた場所に捨てるのは、誰でもできる環境活動です。
使える資源をリサイクルする活動も、ゴミ問題に含まれます。
リサイクルできる素材や、リサイクルした製品がどのような姿に変わるのかを家族でゲームを通して勉強するのもおすすめです。
森林伐採
森林伐採は、現在も深刻化している環境問題のひとつです。
森林には、人間が生活する上で出る二酸化炭素(CO2)を吸収し、蓄えることで大気中の二酸化炭素を削減する機能があり、地球温暖化の対策にもなります。
また、空気中の、ちりやほこりを葉が吸着する大気浄化機能も備わっています。
今、日本で社会問題となっている「花粉症」も放置された老木が原因の、森林伐採に関連した問題です。
人間が綺麗な空気の中で生きていくためには、森林の存在は必要不可欠です。
しかし、燃料や材料の必要性から木の伐採のペースは衰えません。適切に植え、育て、収穫するサイクルを回すことが重要です。
ゲームを通して、自然の大切さや樹木が人間の生活にもたらすメリットを勉強し、子どもにも理解してもらう手がかりにしましょう。
海洋汚染
海洋汚染は、海洋ゴミによる汚染が原因で起こる環境問題です。
海洋ゴミの中でも、石油を原料とし海の中で分解することなく残り続けるプラスチック製のゴミが特に問題視されています。
プラスチックゴミは、ペットボトルやビニール製のレジ袋や包装容器など、人間の生活から発生した製品です。 実際に、海洋ゴミによって海が汚染され、魚の数が減っていると言われています。
釣り糸や浮きなどの釣具も不法投棄として問題視されている代表的な海洋ゴミです。釣具以外にも、悪意のある不法投棄が後を断ちません。
海にゴミを捨てるとどうなるのかは、子どもにはなかなか想像しづらい部分です。 ゲームによって興味を持たせ、話すチャンスにしましょう。
気候変動
気候変動は、地球温暖化による海面水位の上昇や、豪雨による洪水をさします。 ニュースでもよく見る、海外で起きている洪水や山火事などからもわかるように地球温暖化は、日本だけでなく全世界で問題視されている環境問題です。
地球は年々気温が上昇しており、海水温度の上昇からサンゴの死亡も起きています。 生態系の影響が大きく、見逃せない問題といえるでしょう。
また、地球温暖化は、渇水や洪水にも影響があると言われています。
近年は局地的に急な豪雨が降ることも多く、気温の変動も大きくなっています。 地球温暖化により待機中の水蒸気が増加し、雨が降ったときも豪雨になりやすくなっているのが特徴です。
今後の地球を生きていく子どもだからこそ、気候変動の知識は学んでおきたい知識の一つです。
環境問題が学べるボードゲーム5選
今、深刻化している環境問題がどのような問題なのか、少しだけお分かりいただけたでしょうか?
次に、上記でご紹介した環境問題にわかりやすく触れることができるカードゲーム・ボードゲームをご紹介します。 子どもの年齢や興味に合わせて、一緒に遊ぶゲームを選びましょう。
これってアメリカだと何ゴミ?分別ゲーム「poi」
「poi」は、普段何気なく触っている製品が何ゴミなのか分別していくゲームです。
同時に複数人で楽しめるため、家族全員で遊べるのが魅力になります。
日々触れている製品はさまざまな素材からできており、いざ使い終わってゴミになった時に、紙やビニール袋とは違い単純には考えられません。
親子でお題が何ゴミになるか想像しながら進めれば、ゴミの分別知識が身につきます。
poiには、お題のカードに日本語以外の言語が書いてあるのもポイントです。
環境問題だけでなく、語学の知識にも触れられます。
ゲームを楽しみつつ、環境問題や語学に触れられ、子どもが興味を持つきっかけになるでしょう。
「poi」商品概要
価格:¥2,200(消費税10%込)
発売元:株式会社アークライト
© 2021 Arclight, Inc. / 326
ごみ収集業者になりきろう!「R-ECO+(アールエコ・プラス)」
「R-ECO+」は、プレイヤーがゴミの収集業者となってゴミを回収してリサイクルまでおこなうゲームです。 ゴミを回収すれば利益を得ますが、持てるカードの枚数が決まっておりたくさん持てばいいわけではありません。
ルールの中には不法投棄を禁止するルールもあり、環境問題に関する言葉の意味を学びつつ環境問題を意識できます。
ゲーム内だけでなく、現実世界での不法投棄も問題になっていると子どもに伝えるタイミングになるでしょう。
「R-ECO+(アールエコ・プラス)」商品概要
価格:¥1,650(消費税10%込)
発売元:ホビージャパン
©2023 Hobbyjapan Co., Ltd. All Rights Reserved.
製造工程にもこだわった森のカードゲーム「ヨリドリミドリ」
「ヨリドリミドリ」は森林や樹木をテーマにしたボードゲームです。
ひとつのカードゲームですが名前の通り複数のゲームで遊ぶことができます。
それぞれのゲームは5分から10分程度で楽しめるゲームになっており、短い時間でできるため子どもが飽きる心配もありません。
ヨリドリミドリで遊べる代表的なゲームは、森や木をモチーフにした以下の5つです。
・もくもくかるた
・木々ならべ
・木枯らし吹けば
・慌ただしき光合成
・木と林と森
カードの色が綺麗なため、見ているだけでも癒されます。
「ヨリドリミドリ」のカードには、適正管理された森林由来の木材パルプから製造されたセルロースアセテートフィルムを採用。このフィルムは高い光沢度と透明度を誇り、傷も付きにくいことから、海外では香水やブランデーなどの高級ブランドのパッケージに採用されている素材です。
また、「ヨリドリミドリ」は森林をテーマにしたボードゲームとして、外箱と説明書に「FSC認証紙」を使用しています。
ゲームで環境問題について学べるだけでなく、製造工程にまで環境配慮がなされている点もおすすめのポイントです。
カードゲーム「ヨリドリミドリ」は下記サイトから購入することができます。
★『Makuake』購入ページ https://store.makuake.com/collections/pronate
「ヨリドリミドリ」商品概要
価格:¥2,500(消費税10%込)
発売元:株式会社プロネート
海洋ゴミの回収を体験「キャプテンネイチャー」
「キャプテンネイチャー」は、ゴミで溢れかえった海をプレイヤーがきれいにするゲームです。
どのようなゴミが海を汚しているかわかり、環境への意識に繋がります。
テーブルや床を海に見立ててゴミや動物を広げます。プレイヤーは目を瞑るかアイマスクをつけて、目が見えない状況にしましょう。
船の駒をつかい、海洋生物を巻き込まないように全てのゴミを回収するのが最終目標です。
難しいルールがないため、小さな子どもでも楽しめるのが魅力のボードゲームです。
「キャプテンネイチャー」商品概要
価格:¥4,000(消費税10%込)
発売元:メビウスゲームズ
©メビウスゲームズ All Rights Reserved.
一国の代表となり地球を救おう「京都議定書」
「京都協議定書」は、6つの国の代表になって世界の環境問題に目を向けるゲームです。
プレイに必要な最低人数は3人のため、家族全員で環境問題を意識できるゲームになるでしょう。
ゲームの勝敗は、論文カードと呼ばれる環境問題解決のためのカードの目的を達成した際の貢献度で決まります。しかし、環境問題が深刻化し、解決ができないと貢献度が高いプレイヤーが敗北になるというシビアなルールです。
ゲーム中では、論文カードに書かれた内容を達成するために、自国が出せる資金をお互いに検討しますが、どの国も叶えたい内容ではないため、自国の利益を優先する国もあるかもしれません。
心理戦や論理的な思考も必要になるため、少し難しめのボードゲームです。小学生以上の年齢であれば楽しめるでしょう。
※京都議定書は現在完売しています。
「京都議定書」商品概要
価格:¥4,400(消費税10%込)
発売元:ホビージャパン
©2020 Deep Print Games GmbH
まとめ
環境問題を子どもに意識してもらうには、勉強や話し合うだけでなくゲームで実際の問題をシミュレーションして体験するのがおすすめです。
ゲームは勉強に比べて楽しんでプレイでき、子どもの年齢に合わせた内容を選べば、幼い子どもでも参加することが可能な環境学習方法になります。
また、ゲームを利用すれば、家族で過ごす時間も作れて休日がより豊かになるでしょう。環境問題を自由研究のテーマにするきっかけにもなるかもしれません。
自分の子どもがどのような環境問題に興味があるのか聞きながら、家族で一緒にゲームに取り組んでみましょう。
豆知識メモ|ビデオゲーム業界が抱える環境問題
ここでは、ビデオゲーム業界が抱える環境問題を解説します。
ビデオゲームは、上記で紹介したボードゲームに比べると、人々が気づかないところで環境問題を発生させています。
どのような環境問題が起きているのか、知識を深めておきましょう。
大量のCO2が排出されるビデオゲームの生産
ビデオゲーム機の生産には、大量のCO2が排出されています。
その中には、ビデオゲームができるまでに利用したオフィスの照明や、ゲームを作るために動かすコンピューターの電力も含まれています。
ゲーム開発はたくさんの時間がかかりおこなわれているため、実際にゲームをする以外にもエネルギーが消費されている点は理解が必要です。
ゲームがプレイヤーに届くまで
ゲームがプレイヤーに届くまでにも、輸送方法によるCO2排出があります。
近年増えてきたダウンロード形式のゲーム購入は、物理的なゲームソフトの輸送に比べてCO2排出を少なく抑えることができます。ゲームを作るだけでなく、ゲームをする人の手元へゲームを届けるのもエネルギーが必要になり、環境問題の一因となっています。
プレイヤーが排出するCO2量
ゲームをプレイするプレイヤーが排出する、CO2量も忘れてはいけません。
ゲームを動かすには、PCやゲーム機を動かす必要があります。
最近では個人でも高性能な機械を手に入れやすくなったため、使用する機械に必要なエネルギーも多くなりがちです。自分が遊ぶ空間にも環境に配慮する行動が取り入れられれば、より良い循環が生まれることでしょう。
ゲーム業界の取り組み
ビデオゲームが排出するCO2に対して、ゲーム業界が対策をしていないわけではありません。温室効果ガスの排出量をゼロにする「ネットゼロ」を掲げている企業が多く、ゲーム業界全体はCO2削減を目指しています。
企業によって取り組みは違いますが、プラスチック使用量の削減や植林活動をおこなっている企業も存在します。 ゲーム業界はCO2排出量の多さを業界全体の問題と認識し、改善へ向かっているといえるでしょう。