普段何気なくおこなっているゴミの分別。実際、ゴミの分別にどのような意味があるのか理解している人は多くありません。
しかし、ゴミの分別はリサイクルを促進するうえでとても重要なポイント。
この記事では、リサイクルの種類やリサイクルで環境問題解決に貢献するために意識するべきポイントを解説します。
深刻化が進む環境問題を解決していくには、一人ひとりが日常生活の中でもしっかり意識を持って取り組むことが大切です。本記事を読むことでリサイクルがもたらす環境問題解決への効果を理解して、より効果的な取り組みをしていきましょう。
リサイクルとは?
はじめに、普段何気なく使っているリサイクルという言葉は、実際にどのような意味を持ち、何がおこなわれているのかを解説します。リサイクルの概念を理解すれば、環境への知識や興味も深まるでしょう。
リサイクルの概要を学ぼう
リサイクルとは、そのまま捨てればゴミとして廃棄されてしまう 商品や素材を、資源として再利用することをいいます。資源をムダにせずリサイクルできれば、ゴミ自体の量を減らせるだけでなく新しく製品を作るときにも必要な資源を減らせます。
普段みなさんが意識しておこなっているゴミの分別は、リサイクルを効率よく実施し、ゴミの処理にも余分な負荷をかけないための配慮のひとつです。ペットボトルや資源ゴミを適切なルール通りに分別することで、燃やすゴミや埋め立てるゴミの量を減らせるのが地球へのメリットとなります。
以上のことから、環境問題へ意識を向けるには、リサイクルは欠かせない存在といえます。
もっと詳しく調べてみよう
リサイクルの概念が理解できたら、より詳しくリサイクルへの知識を深めていきましょう。
リサイクルをおこなう工程は、製品によって変わりますが、その工程の前に、家庭で分別した後にさらに細かく、ゴミを分別する工程が存在します。
自宅で分別されて出されたゴミは、それぞれ適した施設へ運搬されます。リサイクルするための資源ゴミは、資源化施設に運ばれるのが一般的です。資源化施設に運ばれたゴミは、リサイクルされる種類別に分別されます。
分別するときは強い磁力や風力を使用して、スチール缶やびんを選別します。びんは手動で不適物の除去をおこない、自動で色別に選別できる機械にかけられる場合もあります。その後アルミ缶やペットボトルも分別され、それぞれのリサイクル業者に引き取られ新しい製品へと姿を変えていくのです。
家電をリサイクルする場合は、製品のなかにリサイクルできない資源も含まれているため、分解してそれらを取り除いてからリサイクルに回す必要があります。
その後のリサイクル工程でも、ただ粉砕するだけではさまざまな資源が混ざった状態のためそのままでは資源として利用できません。ここでも風力や磁力を利用して、資源の選別をおこないます。
ここまでの工程を経て選別された資源がやっとリサイクル業者に送られ、次の製品へと利用されます。
リサイクルの歴史
日本におけるリサイクルの歴史は長く、奈良時代にさかのぼります。奈良時代や江戸時代におこなわれていたリサイクルは、紙ゴミや古着のリサイクルでした。農業が盛んだったこともあり、肥料を作るための灰を集める職業もあったようです。
時代が進むにつれて、リサイクル可能な資源は多くなりました。現代ではペットボトルや空き缶をはじめとして、多くの資源がリサイクルできるようになっています。
古着をバッグやポーチに作り替えたり、プラスチックから衣類を作ったりとまったく別の製品に姿を変える技術も日に日に発展を遂げています。
国としてさらにリサイクルに意識を向けられるようになったきっかけは、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットです。 地球サミットでは地球温暖化が問題視され、エネルギー資源が有限であることが明確になりました。
環境の基本文書である「環境と開発に関するリオ宣言」と「アジェンダ21」も採択され、これらには環境に対する国の権利と責任、環境汚染に対する予防的方策、汚染者負担の原則、開発及び環境保全の相互依存性などの基本理念が定められています。
その後1993年に環境基本法が制定され、国民の健康で文化的な生活を確保するために国単位で環境保護に向けて取り組みをおこなっていくと決まりました。
結果的に、限りある資源を有効的に使う方法として、リサイクルへの意識が急速に高まり、現在にいたります。
リサイクルの種類一覧
ここからは、リサイクルの種類を解説します。どのようなリサイクルがあるか知っておき、知識を深めていきましょう。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルは、捨てるはずだった資源を新しい製品の材料として再利用するリサイクル方法です。マテリアルリサイクルでは、同じ製品に作り直される場合もあれば、まったく別の製品へ姿を変えるケースもあります。
リサイクルときいて思い浮かぶのは、ペットボトルから新しいペットボトルを作ったり、資源ゴミから再生紙を作ったりするケースが多いでしょう。しかし、現在はペットボトルから衣類を作るリサイクルも存在します。
身近な資源が意外な製品へ姿を変えている場合もあるため、どのような素材がマテリアルリサイクルされているか知るのも面白いかもしれません。
マテリアルリサイクルのデメリットは、コストがかかるうえに品質管理に注意が必要な点です。マテリアルリサイクルでは新しい製品を生産するまでに、廃棄物の回収・分別・洗浄・再加工といった過程が必要となります。リサイクルするための分別も手作業でおこなう場合が多く、時間も手間もかかるため、効率的におこなうために、技術の向上やリサイクル工程の見直しが課題となっています。
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルは、科学的な方法で分解した廃プラスチックや生ゴミを製品の原材料として再利用するリサイクル方法です。代表的な例では、プラスチックゴミの油化、ガス化、生ゴミの飼料化などがあります。
ケミカルリサイクルのメリットは、資源の状態によってマテリアルリサイクルできなかったものの場合もケミカルリサイクルとしてリサイクルできる可能性が高くなる点です。より多くの資源をリサイクルできるため、環境にも優しい取り組みといえるでしょう。
しかし、ケミカルリサイクルにはデメリットも存在します。必要な設備を作るためにコストがかかり、リサイクル製品を製造する施設も大型です。現段階で局地的に展開されていることから、廃棄物を施設に届けるまでの輸送コストもかかります。
ほかにも、良質な廃プラスチックの確保といった、解決すべき問題が多くあるのが現状です。
サーマルリサイクル
サーマルリサイクルとは、廃棄されたゴミを燃やすときに発生する排熱をエネルギーとして回収・利用するリサイクル方法です。回収した熱は、発電や直接暖房や給湯、温水プールの熱源として利用されてています。
サーマルリサイクルのメリットは、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルができない資源を燃料としてエネルギーを作れる点です。プラスチックゴミに貼ってある紙のシールや、食品トレーに残った落としきれない油分があると、ほかのリサイクル方法が選択できない可能性があります。リサイクルできない資源は埋め立てる方法が選ばれますが、プラスチック製品は土の中で分解されず環境リスクが高まります。埋め立て地が広がれば自然を減らす結果にもつながり、環境問題はより深刻化することになるでしょう。そのため、サーマルリサイクルを選択し、エネルギーの生成に役立てることも日本ではリサイクルの種類の一つとされています。
しかし、サーマルリサイクルは海外ではリサイクルと認められていません。資源を燃やしてしまうと新しい製品を作り出せず、エネルギー以外にリサイクルができないからです。
また、プラスチックを燃やすため、有害物質を発生させる危険性もあります。空気汚染への心配だけでなく、焼却後の灰も有害物質になるケースがあるなど、サーマルリサイクルに関しては批判の声もあがっているため、今後どのような動きがあるのか注意して見守る必要があります。
ゴミの種類によるリサイクルの分類
ゴミの種類によって、リサイクルされる製品や回数には違いがあります。
ここでは、ゴミの種類別にどのような製品にリサイクルされるのかを解説します。廃棄物を減らして身近な資源を有効的に使用するために、リサイクルで重要なポイントも知っておきましょう。
紙
紙の原料は、木材です。紙を作るためには木を切る必要がありますが、森林伐採は大きな環境問題のひとつといえます。
紙の無駄遣いを削減できれば環境問題の改善にもつながり、貴重な森林資源を守れるのがメリットです。
リサイクルに出した紙ゴミは、段ボールやトイレットペーパーに変わります。
再生された紙類はまたリサイクルできる製品も多く、なるべく多くの回数リサイクルできるように意識すると多くの自然を守ることにつながります。買い物の際にもらえる紙でできたショッピングバッグや、コピー用紙もなるべくリサイクルを心がけましょう。
ちなみに、同じ紙ゴミでもシュレッダーで裁断するとリサイクルの原料として適切ではないものが混じってしまうことや、繊維が壊れてしまうことから、資源ゴミではなく燃やすゴミになってしまう場合が多くあります。機密文書などの適切な処理が必要な書類以外はシュレッダーせず、そのまま古紙回収に回すことが大切です。
また、汚れやテープがついた紙類はリサイクルできません。リサイクルに出すときは、紙についたテープ類を剥がしておくと、スムーズにリサイクルに出せるでしょう。
びん
びんの原料は、石灰石やソーダ灰といった天然資源です。びんはリサイクルだけでなく、リユースといって洗って再利用できるのも特徴です。
幼少期に、ラムネのびんや牛乳びんを指定された場所に戻した経験がある人は多いのではないでしょうか?リユースできる製品は捨てずに自治体が決めた場所へ戻し、再利用を心がけましょう。
リサイクルの側面でいうとびんはリサイクルで新しいびんの原料にもなります。また、びんが家を作るときの断熱材や土木材料にも姿を変えることができることを知っている人は少ないでしょう。リサイクルに出すときは洗浄工程が少なく済むように中をしっかり洗ってから出すのがリサイクル効率の向上につながります。
自治体によっては、びんの色ごとに回収を分けている場合もあります。指示に従って分別すると、より環境を守る行為につながるでしょう。
缶
缶は、アルミ缶とスチール缶の2種類に分かれます。アルミ缶は、アルミニウムを原料としており、やわらかいのが特徴です。スチール缶は、鉄を原料としており硬さがあります。
どちらが原料でもリサイクル性が高いため、自宅での分別は欠かせない存在です。
アルミ缶とスチール缶は、リサイクルされるとそれぞれ別の製品に姿を変えます。
アルミ缶は自動車部品やジュースの缶にリサイクルされ、スチール缶はアルミ缶と同じ自動車部品やジュースの缶はもちろん、電化製品や建築資材とさまざまな製品に変えられます。
リサイクルしたときの用途が幅広く、日々生活するなかでも、もともとは缶が原料であった製品は多く存在します。モーターやレールといった、移動するための必須製品の資材にもなるのが特徴です。
ペットボトル
ペットボトルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)という天然資源の石油を原料に作られています。一方で、キャップはポリプロピレン(PP)樹脂とポリエチレン(PE)樹脂、本体についているラベルはポリスチレン(PS)フィルムやポリプロピレン(PP)フィルムを使用しています。すべて同じプラスチックのように感じますが、ぺットボトル本体とキャップ、ラベルは別の種類のプラスチックからできているため、分別が必要になります。
また、自宅でペットボトルを分別するときは、必ず中も洗うようにしましょう。中が汚れたままだと、せっかく分別してもリサイクルができないこともあります。
野外で捨てるときは、自動販売機の横やスーパーマーケット、コンビニエンスストアに回収ボックスが設置されていることが多いので、お近くの回収ボックスを探して利用するのがおすすめです。
分別され、リサイクルに出されたペットボトルは、再び別のペットボトルに姿を変えるほか食品トレイや卵パックに変わっています。
近年では衣類や鞄を製造するのに必要な「繊維」にもリサイクル可能で、汎用性の高い資源です。
プラスチック
プラスチックは、ペットボトルと同じく石油から作られる樹脂です。軽くて持ち運びがしやすいため、食品容器やビニール袋にリサイクルされます。
リサイクルされたプラスチックは、洗面具や文房具など馴染みのある生活用品のほか、土木資材や衣類にも姿を変えます。幅広い製品にリサイクル可能なため、限りある資源を無駄にしないようにしましょう。
プラスチックで成形された食品トレイをリサイクルに出すなら、スーパーマーケットに設置されている回収ボックスの利用が手軽です。
プラスチックを捨てる場合も、なるべく汚れを取り除いておくとリサイクルされるときにスムーズに工程が進み、感謝されることでしょう。
リサイクルと環境問題
地球温暖化や海洋汚染といった環境問題の改善には、一人ひとりの意識が重要です。環境問題と聞くと規模が大きく、個人では解決できないと感じる人もいるでしょう。
しかし、リサイクルを意識的におこなっていけば、地球で起きているさまざまな環境問題を解決することにつながります。
ゴミ問題や地球温暖化の情報を正しく理解し、リサイクルに取り組む意欲を高めましょう。
ゴミ問題と地球温暖化
前述でもご紹介した通り、ゴミの分別を適切におこない、リサイクルを促進すれば、ゴミ問題や地球温暖化の解決に貢献することができます。
地球温暖化が悪化する原因の一つに、ゴミを焼却するときに発生する温室効果ガスがあります。ゴミを分別してリサイクルをおこなえば、燃やすゴミを減らせるため、発生する温室効果ガスの量を減らすことができます。
一方、リサイクルをおこなわずに燃やすゴミが増えていくと、温室効果ガスは増え続け地球温暖化が悪化します。地球温暖化が悪化すれば、台風や集中豪雨といった異常気象が増え災害や食糧危機に繋がる可能性も否定できません。
一人ひとりの小さな努力によって、限りあるエネルギーが無駄なく活用できていることを知っておくことが重要です。
日本のリサイクルと世界のリサイクル
日本は世界からみて先進国に含まれますが、リサイクルの状況は他国とどう違うのでしょうか?他国との違いを理解して、どのような課題があるのか、環境先進国がおこなうリサイクルはどんなものなのかを知り、取り入れられるポイントを探しましょう。
日本の現状
一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度)によると、2021年の段階で日本が年間に排出しているゴミは4,274万トン(東京ドーム約115杯分)です。これを元に計算すると、一人当たり1日に出しているゴミは、918グラムとなります。
そのうち、排出しているゴミのリサイクル率は、19.6 %です。日本はリサイクルへの意識が高いにもかかわらず、実施率が低いと感じる人もいるでしょう。
現在日本のリサイクル方法では、サーマルリサイクルがもっとも多くおこなわれています。しかし、欧米ではサーマルリサイクルはリサイクル方法として認められていません。結果的にマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを増やしていかなければ、先進国のなかでもリサイクル率が低い国として評価されてしまうのです。
日本のリサイクルにおける課題点
前述したとおり、日本でのリサイクルはサーマルリサイクルの割合が非常に高いです。サーマルリサイクルの課題は、焼却時に二酸化炭素が排出される点です。二酸化炭素が排出されれば地球温暖化につながるため、これが海外で推奨されていない理由の一つです。
しかし、サーマルリサイクル以外のリサイクル方法はコストが高く、リサイクル時に不純物が混ざるため品質の担保が難しいのが課題となっています。結果的に再生素材ではない新しい資源から製品を作る方がコストをかけずに済むため、日本ではマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルが発展しづらくなっています。
日本でリサイクル率を上げるには、リサイクルしやすい製品の開発やリサイクルの工程を再考する必要があるでしょう。
環境先進国におけるリサイクルについて
世界の中でも、リサイクルに力を入れている代表的な国がドイツです。ドイツのリサイクル率は65%と、調査国の中でも特に高い数字を誇っています。
ドイツでは、学校の授業で環境問題を取り上げるのはもちろん、環境に配慮した校舎づくり、森林での自然体験など、環境を守る大切さを幼い頃から学んでいます。ゴミは分別するのが当たり前という考えが国民の中に根付いているのでしょう。
さらにドイツでは、ペットボトルやびん製品を販売するとき容器にデジポット金額を設定し、返却すれば料金の一部が返金されるのが特徴です。回収された容器は洗浄して再利用されるか、リサイクルに回されます。
また、街中のいたるところに回収コンテナを設置しているのもドイツの特徴です。外出していても気軽にゴミを捨てられ、わざわざ決められた回収場所に足を運ぶ必要がありません。
回収対象になっているのは、ガラス製品だけでなく衣類や靴も含まれます。身近な製品が様々な場所で回収されていることは、日常的にリサイクルへの意識が高まる要因の一つかもしれません。
リサイクルだけじゃない!私たちができる環境問題解決策
環境問題の改善策にはリサイクル以外でも、意識できるポイントがあります。一つひとつは小さな影響でも、多くの人が意識すればその分、より環境に良い影響を与えるでしょう。
どのような対策があるか知っておき、知識を身につけておきましょう。
3Rって知ってる?
3Rとは、リデュース・リユース・リサイクルの頭文字をとった言葉です。
リデュースは、ゴミ自体の発生量を減らす取り組みです。リユースとリサイクルは、どちらも最終的にはゴミを処理するためのエネルギーが必要になります。リデュースはゴミ自体の量を減らせるため、不必要なエネルギーが発生しません。
エネルギーが必要ないという点から、リユース・リサイクルよりも重要とされています。
リユースは、使用済みの製品や製品の中にある部品を取り出し別の製品に利用する取り組みです。個人でイメージしやすいのは、まだ使える商品をフリマサイトで売り買いしたり、兄弟間で服をお下がりとして継続的に着用するのもリユースに含まれます。
シャンプーやボディーソープといった詰め替え用品の購入も、ボトルを再利用できるためリユースに含まれます。人によってはリサイクルよりも身近におこなえる取り組みになるでしょう。
リサイクルはここまでで学んだとおり、廃棄物を別の製品の原材料としたり焼却してエネルギー源とする取り組みです。ほかの2つに比べて知名度が高く、意識的に取り組みやすいイメージがあるでしょう。
3R(リデュース・リユース・リサイクル)の順番は行為の優先順位によってつけられています。廃棄物をそもそも発生させない「リデュース」。廃棄物になる前に再利用する「リユース」。どうしても廃棄物になってしまったものは素材レベルに戻して別の製品として再生する「リサイクル」。総合的な環境負荷が少ない順であるということを覚えておきましょう。
3R以外の新しいRとは?
無駄なエネルギーを消費しないために重要な3Rですが、現在はリフューズ・リペア・リニューアブルなど新しく加わってきたRが存在します。
リフューズ(断る)とは、ゴミを発生させないために自宅にゴミを持ち込まない取り組みです。近年増えたマイバッグやエコバッグは、自宅に増えていくビニール袋を発生させないためのリフューズになっています。
また、ペットボトルのゴミを発生させないための水筒やマイボトルの利用、商品を発送するときの過剰梱包の削減もリフューズになります。ゴミを増やさないためにも、レジ袋や無駄な梱包などは受け取り前に断る意識を持ちましょう。
リペア(修理する)とは、使っていた製品が壊れたときに修理してなるべく長く使うための取り組みです。具体的には、服のボタンがとれたときに付け直す行為や電化製品が壊れたときに修理に出す行為が含まれます。
近年では、実家にあった着物をリメイクしてバッグやポーチといった新しい製品に生まれ変わらせる人も増えています。リペアでは、思い出のある製品を長く使えるのがメリットです。
リニューアブル(置き換える)とは、廃棄物となる前の素材の段階で改善をしようという取り組みです。 使う必要のないプラスチックの使用を削減した上で、それでも必要な容器包装・製品の素材を再生材や再生可能資源に切り替えていき、できるだけ長く使用しつつ、使用後は効果的・効率的なリサイクルシステムを通じて循環利用を図ります。リニューアブルの取り組みによりCO2の削減や、海洋プラゴミの削減など環境への負荷を削減することが期待されています。
自治体によっては、さらにプラスしてリフォームやレンタルを唱える自治体も存在します。3R以外のRを調べてみて、自分ができる取り組みを調べてみても楽しめるかもしれません。
無理せず取り入れられる部分から実施してみて、環境問題への意識を高めましょう。
まとめ
日々生活するなかで、なるべくリサイクルを心がけている人は多いでしょう。しかし、ペットボトル1つとっても、中を洗ってから捨てたり、キャップやラベルを別で分別したりと手間を感じることも少なくありません。
リサイクルを面倒に感じる人は多いですが、環境問題を改善するには重要な要素です。地球上にあるエネルギーには限りがあり、無駄にできません。限りあるエネルギーを無駄なく使うためには、一人ひとりがリサイクルへの意識を高めるのが重要です。
また、近年ではリサイクル以外にもリユースやリデュースといった取り組みが存在します。ゴミになりそうだった製品をもう一度利用したり、ゴミ自体を発生させない取り組みは、環境を守るうえで欠かせません。
無理に全部に取り組む必要はないため、できる範囲から行動してみましょう。小さな取り組みを積み重ねれば、少しずつ環境への意識が変わっていくのではないでしょうか。
(参考1)環境省|日本の廃棄物処理の歴史と現状
(参考2)「Organisation for Economic Co-operation and Development」(2015年)