海洋汚染とは
海洋汚染とは、人間の活動が原因で海の環境が悪くなることを指します。
例えば、ビーチに打ち上げられたペットボトルや海面に浮かぶ油の膜、魚の体内から見つかるマイクロプラスチック。これらすべてが海洋汚染の一端です。
海上保安庁の報告によると、2021年の海洋汚染確認件数は493件で、過去10年間で最多となりました。その中でも、油による汚染が6割以上を占めています。ついで多いのが、私たちの日常生活から出るごみによる汚染です。
海洋汚染は魚や海鳥たちの命を脅かすだけでなく、最終的には私たち人間の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
だからこそ、国や企業だけでなく、私たち一人ひとりにもできることがあるはずです。この記事を読み進めるうちに、きっとあなたにも「できること」が見つかるでしょう。
海洋汚染の原因
海洋汚染の原因は、私たちの日常生活と密接に関わっています。
主な原因は、海に流れ込むプラスチックごみや、家庭・工場からの排水です。他にも、船舶からの油の流出や、大気汚染物質の海への落下なども挙げられます。
驚くべきことにこれらの原因の多くは、私たちの何気ない行動から生まれているものです。例えば、使い捨てプラスチック製品の使用や、適切に処理されていない生活排水など。
海洋汚染の原因を知ることは、解決への第一歩です。この章では、主な原因について詳しくみていきます。
海洋プラスチックごみ
海に浮かぶペットボトルや、砂浜に打ち上げられたプラスチック袋。このような光景を見たことがあるでしょう。 世界全体では、海洋プラスチックごみの発生源の80%以上が、陸上から海に流出したものです。日本においても、河川を通じて海に流れ込むプラスチックごみが大きな問題となっています。
プラスチックごみはその素材の性質上、滞留期間が長く、中には400年以上海の中を漂うものも。このため、海洋生態系に長期的な影響を与え続ける可能性があるのです。
家庭や工場からの排水
「海を汚しているのは、工場だけじゃないの?」
そう思っている方もいるかもしれませんが、実は、私たちの日常生活からも海を汚す原因が生まれています。
例えば、台所で使った油やお風呂の石鹸、洗濯に使う洗剤。これらが含まれる生活排水が、川を通じて海に流れ込んでいます。
生活排水に含まれる汚濁の量は、1日1人当たり43gですが、全国民が毎日これだけの量を排出していると考えると、その深刻さがわかるでしょう。
生活排水が河川に流れ込むと、以下のような影響があります。
- 台所のごみが腐敗して異臭を放つ
- 油が固まって動植物に付着する
- 洗剤などの化学物質が水質を悪化させる
また、工場排水も大きな問題です。工場排水は、工場や事業所で排出される汚水を指し、有機物や化学物質が多く含まれており、適切な処理をせずに排出すると以下のような環境汚染の原因となります。
- 水質汚濁
- 生態系への悪影響
- 悪臭の発生
- 地下水汚染
ごみの不法投棄
ごみの不法投棄とは、ごみを決められた場所以外に捨てることです。
ごみの不法投棄は法律違反で罰則も厳しく、(※)5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
(※廃棄物処理法 第25条1項14号)
海上保安庁の報告によると、2021年の海洋汚染確認件数493件のうち、139件(28%)が廃棄物による汚染でした。この内訳は以下のとおりです。
- 一般市民による家庭ごみの不法投棄:86件
- 漁業関係者による漁業活動で発生する「残さ」や漁具の不法投棄:50件
不法投棄されるごみの種類には上記以外にも、海岸でのポイ捨て、釣り人が使用する釣り糸や浮きなどの釣り道具、産業廃棄物などがあります。
不法投棄は単に美観を損ねるだけでなく、海洋ごみとして海洋汚染を悪化させる原因となります。
船舶からの油排出
船から漏れ出す油。これも海洋汚染の原因の一つです。
海上保安庁の報告によると、2021年に確認された海洋汚染の約67%が油によるものでした。そのうちの半分以上が、船舶からの油排出によるものです。
主な原因は、取り扱い不注意や船舶海難、破損などがあげられます。例えば、バルブの操作を間違えたり、タンクの測定を誤ったりすることで油が排出されています。
日本では「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」によって、船舶からの油排出が規制されており、油濁防止管理者の設置や油記録簿の保持などが義務付けられています。
大気汚染物質
空気の汚れが海を汚すというのは意外に思えるかもしれませんが、実はこれも海洋汚染の一因です。日本の主な大気汚染物質には、以下のものがあります。
大気汚染物質 | ||
---|---|---|
ばい煙 | 硫黄酸化物(SOx) | |
ばいじん | ||
有害物質 | カドミウム(Cd) カドミウム化合物 |
|
塩素(Cl2)、 塩化水素(HCl) |
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フッ素(F)、フッ化水素(HF)等 | ||
鉛(Pb)、 鉛化合物 |
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窒素酸化物 (NOx) |
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揮発性有機化合物(VOC) | ||
粉じん | 一般粉じん | |
特定粉じん(石綿) | ||
特定物質(アンモニア、一酸化炭素、メタノール等28物質) | ||
有害大気汚染物質 | 248物質(群) このうち「優先取組物質」として23物質 |
|
指定物質 | ベンゼン | |
トリクロロエチレン | ||
テトラクロロエチレン |
参考:工場及び事業場から排出される大気汚染物質に対する規制方式とその概要 | 大気環境・自動車対策|環境省
上記のような大気汚染物質が、雨や雪などの降水に溶けて海洋に落ちたり、重力や風の影響で直接海面に落ちたりすることで、海洋汚染につながっています。
海洋汚染がもたらす問題
海洋汚染は、海の中はもちろんですがその他にも影響を及ぼしています。
海に流れ出た大量のごみのせいで、プラスチックを食べてしまったり、絡まってしまったりして、海に住む生き物たちが大変な目に遭っています。
さらに、海の汚染が地球温暖化にも関係しており、その影響は私たち人間にも及んでいる可能性があります。
この章では、海洋汚染がもたらす3つの大きな問題について詳しく見ていきます。問題について知ることが、解決への第一歩です。
生態系の破壊
海の中では、約700種もの生き物が海のごみで傷ついたり、命を落としたりしているそうです。そのうちの9割以上がプラスチックが原因です。具体的な影響としては、以下があげられます。
1.誤食による影響
海鳥やクジラ、ウミガメなどの生き物がプラスチックを誤食することで、食欲の減退、体長の低下、消化器官の損傷などが起こります。
2.絡まりによる影響
プラスチックごみが海洋生物の体に絡まり、動きが不自由になったり、傷を負ったりします。
サンゴ礁への影響もわかっています。サンゴ礁は多くの生き物が産卵したり、すみかにしたりしている場所ですが、海水の二酸化炭素の濃度調節もしています。
しかし、サンゴがマイクロプラスチックを食べてしまうと、栄養失調や病気になってしまい、死んでしまうこともあるのです。
また、「富栄養化」と呼ばれる現象も問題となっています。私たちの使う洗剤や農薬、肥料などに含まれる成分が川を伝って海に流れ込むと、プランクトンが増え過ぎて水中の酸素が少なくなり、他の貝や魚などが死んでしまうのです。
温室効果ガスの上昇
海のプラスチックごみは、温室効果ガスの上昇ももたらします。
プラスチックが海の中で劣化していく過程で、メタンやエチレンなどの温室効果ガスを出していることがわかりました。
温室効果ガスが増えると地球の気温が上がってしまい、氷が溶けたり、異常気象が起きたりと、さまざまな問題が起こってしまいます。
海のプラスチックごみは、目に見える形で海を汚すだけでなく、目に見えない形でも地球全体に影響を与えているのです。
人体への影響(マイクロプラスチック)
マイクロプラスチックとは5mm以下の小さなプラスチックのことで、目に見えるものから、顕微鏡でしか見えないほど小さいものまであります。このとても小さなプラスチックの破片が、私たちの体にも影響を与えているかもしれないのです。
マイクロプラスチックは、主に以下の経路で人体に入ると考えられています。
1.食べ物や飲み物を通じて
魚や貝に含まれるマイクロプラスチックを食べてしまうことで、血液や便からも検出されている。
2.空気を吸って
空気中にも漂っており、それを吸い込んでしまうことで、呼吸器障害が起こる恐れがある。
しかし、体に入ったマイクロプラスチックがどのように人体に影響を及ぼすのかは、まだよくわかっていないことが多いのです。完全には解明されていないものの、リスクがありそうだということはわかってきています。だからこそ、プラスチックごみを減らす努力が大切なのです。
増え続ける海洋プラスチックごみ
海洋プラスチックごみは増え続ける一方で、このまま何も対策をしないと、2050年には海の中の魚よりもプラスチックごみの方が多くなるかもしれないといわれています。
さらに、海にあるごみの半分以上がプラスチック製品です。これは、私たちの日常生活と無関係ではありません。
この章では、海洋プラスチックごみの現状について詳しく見ていきます。
海には魚よりもごみが多くなっていく?
出典:環境省|「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」第3節 海洋プラスチックごみ汚染・生物多様性の損失
海洋プラスチックごみの増加は、深刻な環境問題となっています。
現在、世界の海には約1億5,000万トンのプラスチックごみが存在し、毎年少なくとも800万トンが新たに流入しています。この量は東京ドーム約6.4杯分に相当し、その規模の大きさがうかがえるでしょう。
このペースが続けば、2050年には海洋プラスチックごみの量が魚の総重量を上回ると予測されています。さらに、2050年までにプラスチック生産量は現在の約4倍に増加すると予想されており、問題の深刻化が懸念されます。
日本においては、年間2〜6万トンのプラスチックごみが海洋に流出していると推定されています。
とくに問題視されているのが、直径5mm以下のマイクロプラスチックです。これらは生活用品や排水に含まれて海洋に流出し、生態系に深刻な影響を与える可能性があります。
この問題に対処するためには、個人や企業、政府レベルでの包括的な取り組みが不可欠です。
海洋ごみの65%以上をプラスチックごみが占める
環境省の調査結果によると、海洋ごみに占めるプラスチックの割合は65%以上であることが確認されています。
同調査では、容積ベースでもプラスチック類が48.4%と最大の割合を占めており、プラスチックごみが海洋環境に与える影響の大きさがわかります。
プラスチックごみが海洋環境に与える影響は多岐にわたり、生物による誤飲や絡まりによる被害、マイクロプラスチックの生態系への影響など、その問題は深刻化しています。
この問題に対処するためには、プラスチックの使用削減や適切な廃棄物管理、リサイクルの促進など、総合的なアプローチが必要です。
私たち一人ひとりが、日常生活でのプラスチック使用を見直し、環境に配慮した行動を取ることが問題解決への第一歩となるでしょう
日本の取り組み
海洋汚染問題について、日本も黙って見ているわけではありません。国を挙げて積極的に取り組んでいます。
国際的には、世界各国と協力して海を守るための条約を結び、国内では最新技術を使ったプロジェクトや、多くの人が参加できる活動など、さまざまな取り組みが行われています。
この章では、海洋汚染についての国際的な取り組みと、国内の取り組みについて詳しくみていきます。
国際的な取り組み
日本は、世界中の国々と協力して海洋汚染の問題に向き合っています。
1975年 ロンドン条約
すべての廃棄物の海洋投棄を禁止
1983年 マルポール73/78条約
船舶による海洋汚染を防ぐ
1994年 国連海洋法条約
海洋の利用と管理に関する国際的な取り決め
1995年 OPRC条約
船舶や海底油田からの大規模油流出事故に対する国際的な対応体制の構築を目指す
ロンドン条約の正式名称は「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」です。この条約は、人の健康に危険をもたらし、生物資源や海洋生物に害を与え、海洋の快適性を損なう可能性のある廃棄物や、船舶等からの投棄による海洋汚染を防止することを目的としています。
日本は1980年に批准し、1996年にはより厳格な「ロンドン議定書」が採択され、原則としてすべての廃棄物の海洋投棄を禁止しています。
マルポール73/78条約は、船舶による海洋汚染を防ぐための国際的な取り決めです。この条約は、油類だけでなく、有害液体物質や梱包された危険物、汚水、廃棄物など、幅広い汚染源を規制対象としています。
当初は技術的な課題があり発効が遅れましたが、タンカー事故による海洋汚染の深刻化を受けて、1978年に改めて採択されました。
国連海洋法条約は、海洋の利用と管理に関する国際的な取り決めです。この条約は、領海を12海里以内と定め、沿岸国に200海里までの排他的経済水域の設定を認めています。この水域内で、沿岸国は資源開発の権利と環境保護の責任を持ちます。
また、200海里までの海底を大陸棚とし、沿岸国に開発権を与える一方で、管理と汚染防止の義務も課しています。日本の排他的経済水域は世界第6位の広さを誇り、その有効活用と保護が求められています。
OPRC条約は、1989年のアラスカ沖タンカー事故を機に、1990年に採択された国際協定です。
この条約は、船舶や海底油田からの大規模油流出事故に対する、国際的な対応体制の構築を目指しています。主な内容には、情報交換や緊急時計画の策定、国際協力体制の整備、技術開発の推進などが含まれています。
また、2019年のG20大阪サミットでは、海洋プラスチックごみ問題が重要議題となりました。「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有され、2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにする目標が設定されました。
「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」が承認され、各国の自主的な取り組みと情報共有を促進することになりました。
日本は「プラスチック資源循環戦略」を策定し、国内対策と国際貢献の強化を表明しています。
これらの条約にもとづいて、日本は世界と足並みを揃え、国内の法律も整備しています。
国内の取り組み
日本国内でも、海洋汚染対策のためにさまざまな取り組みが行われています。
2009年7月15日、海岸漂着物処理推進法が公布・施行されました。
正式名称は「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境並びに海洋環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」といい、海岸漂着物等の円滑な処理や発生抑制などが基本方針とされています。
具体的には、3Rの推進による循環型社会の形成や、発生の状況及び原因等に関する実態把握 等があげられており、2018年には、マイクロプラスチックが海洋生態系に影響することを受けて、マイクロプラスチック対策も追加されました。
主にマイクロプラスチックの海域への排出の抑制、再生利用等による廃プラスチック類の減量等があげられています。
また、2019年5月には「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」が策定されました。 新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指した日本のアクションとして、以下があげられています。
- 廃棄物処理制度等によるプラスチックごみの回収・適正処理の徹底
- ポイ捨て・不法投棄・非意図的な海洋流出の防止
- ポイ捨て・不法投棄されたごみの回収
- 海洋に流出したプラスチックごみの回収
- 代替素材の開発・転換等のイノベーション
- こうした取組を促進するための関係者の連携協働
- 途上国等における対策促進のための国際貢献
- 実態把握・科学的知見の集積
令和4年度には、漂着ごみ組成調査が39都道府県78地点で調査が行われています。
人工物の漂着物は「カキ養殖用まめ管」「ボトルのキャップ、ふた」が多く、上位10品目は全てプラスチックでした。
こういった調査が、海岸漂着物対策の対象や方向性、具体的な対策等の検討のための指標として活用されています。
私たちにできること
海洋汚染は規模が大きい問題ですが、私たち一人ひとりにもできることはあります。
例えば、使い捨てプラスチックを減らしたり、ごみ拾いボランティアに参加したり、家庭でのちょっとした心がけ、そして買い物のときの選択。小さな行動の積み重ねが、大きな変化を生み出します。
この章では、私たちにできる具体的な行動について詳しくみていきます。
マイボトルや紙ストローを使ってプラスチックごみを減らす
マイボトルや紙ストローを使うことで、プラスチックごみを減らすことができます。
- 買い物に行くときはマイバッグを持参する
- 外出時はマイボトルを持ち歩く
- 外食時はマイ箸を使う
とくに紙ストローは、環境に優しい代替品として注目されています。紙ストローのメリットは以下のとおりです。
- 処分しやすく、環境への負荷が少ない
- 分解が早く、リサイクルや焼却も可能
- 石油由来のプラスチックを減らせる
海や川のごみ拾いボランティアに参加する
海や川のごみ拾いボランティアは、海洋汚染問題に直接取り組める効果的な方法です。ごみ拾いボランティアには、海洋ごみの削減や環境意識の向上、地域の美化などのメリットがあります。
参加方法は簡単で、インターネットやSNSでボランティア団体を探し、申し込むだけです。活動場所は海岸や河川敷、街中などさまざまで、団体によっては記録やゲーム形式など工夫を凝らしています。服装は長袖長ズボン、運動靴、帽子がおすすめです。
ボランティア活動は環境問題への意識を高めるだけでなく、コミュニケーションの機会にもなり、地域コミュニティの形成にもつながります。誰でも気軽に参加でき、すぐに成果を実感できる点が魅力です。
大量の洗剤や油などを排水口にそのまま流さない
大量の洗剤や油などを排水口にそのまま流すことは海洋汚染の一因となるため、適切な処理が必要です。
洗剤は適量を使用することが重要です。油の処理は、少量であれば新聞紙に吸わせて可燃ごみに、大量の場合は固形化して処分するか回収業者に依頼しましょう。
排水口もきれいに保つことを心がけ、食べかすなどはこまめに取り除き、可燃ごみとして処分します。
また、環境負荷の少ない洗剤を選ぶことも大切です。エコマーク認定の洗剤は生分解性が高く、水質汚濁の原因になりにくいという特徴があります。
これらの小さな心がけが、長期的な海洋環境保護につながります。
エコラベルのついた商品を購入する
エコラベルとは、製品やサービスが環境に配慮されたものであることを示す認証マークやラベルのことです。
とくに海洋保護に関連するエコラベルとして、MSC(Marine Stewardship Council)ラベルがあります。これは「海のエコラベル」とも呼ばれ、持続可能な漁業で獲られた水産物に付けられます。
また、FSC認証は、環境に配慮した森林管理から生産された木材製品に付けられ、間接的に海洋環境を守ることにつながります。
エコラベルがついた商品を購入することで、環境保護や持続可能な資源利用に貢献できます。
買い物に行った際は、エコラベルがついているか確認してみましょう。
海洋汚染防止活動を行っている団体へ寄付する
海洋汚染防止活動を行っている団体への寄付も、1つの方法です。
海洋汚染防止活動といっても団体によって活動内容はさまざまで、企業や政府に対して調査や署名を通じてアクションを訴えかける団体、全国各地でクリーンアップキャンペーンや情報発信をする団体など多様な取り組みがあります。
各団体の活動内容や理念を確認し、自分の思いに合った組織を選びましょう。
できることからはじめよう
海洋汚染は深刻な環境問題ですが、私たち一人ひとりにも解決に向けて貢献できることがあります。この記事で学んだ知識を活かし、日常生活の中で小さな行動から始めていきましょう。
まずは、使い捨てプラスチック製品の使用を減らし、マイボトルや紙ストローを積極的に活用することから始めてみませんか。また、海や川のごみ拾いボランティアに参加することで、直接的に環境保護に貢献できます。家庭では、洗剤や油の適切な処理を心がけ、エコラベル付き商品を選ぶことで、間接的にも海洋環境を守ることができます。
これらの行動は、一見小さなものに思えるかもしれません。しかし、多くの人々が継続的に取り組むことで、大きな変化を生み出すことができるのです。あなたの行動が、美しい海を守る大きな一歩となります。
海洋汚染問題の解決は、私たち一人ひとりの意識と行動にかかっています。今日から、できることから始めてみませんか?あなたの小さな行動が、未来の海を変える力になるのです。
【参考】
海上保安庁|令和4年の海洋汚染の現状(確定値)
e-Gov 法令検索|廃棄物の処理及び清掃に関する法律
e-Gov 法令検索|海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
環境省|工場及び事業場から排出される大気汚染物質に対する規制方式とその概要 | 大気環境・自動車対策
環境省|プラスチックを含む海洋ごみ(漂流・大気汚染物質の種類漂着・海底ごみ)対策
環境省|海洋ごみをめぐる最近の動向
気象庁|船舶による汚染の防止のための国際条約(マルポール73/78条約)
気象庁|国連海洋法条約
気象庁|1990年の油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約(OPRC条約)
環境省|「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」第3節 海洋プラスチックごみ汚染・生物多様性の損失 第3節 海洋プラスチックごみ汚染・生物多様性の損失
環境省|海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針
環境省|美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律の一部を改正する法律の概要