環境問題解決のために国をあげて積極的に取り組んでいるのが、環境系のイベントや一般市民向けセミナーの開催です。各都道府県や市町村で数々のイベントが年間を通して企画・開催されています。こうしたイベントは大きな会場から、身近な地域の河川敷や市区町村の施設まで開催される場所も様々です。
この記事では2024年に話題となった環境系のイベントを振り返りながら、身近な環境問題についておさらい。イベント未体験という人に向けて、参加するメリットや注目のイベントなどを紹介します。
目次
環境問題のイベントにはどんなものがある?
一言で環境問題がテーマのイベントといっても、その規模やテーマ、イベントの内容は様々です。この項目では、実際2024年に開催された環境系のイベントを振り返りながら、よりイベントとしての要素が大きい「フェス」や「フェア」と呼ばれるもの、有識者が登壇し地球環境の問題点について話し合う「シンポジウム」や「フォーラム」、森や海辺、里山などに出かけ、昆虫や海洋生物の観察会を行う「自然観察会」に「講座・セミナー」など、環境に関するイベントの種類とその概要について紹介します。
みんなで楽しめる|フェス・フェア
フェスとは「フェスティバル(festival)」を短縮した言葉で、英語で「祭り・祭典・催し」などの意味があります。フェア(fair)も同様に「行事・催し」を表します。環境がテーマのフェスやフェアなどは、大勢が集まれる市民公園など屋外で行われることが多く、会場を巡回しながらエコについて学べるなど、よりイベント性が高い行事といえます。
扱われるテーマも地球温暖化防止を軸にしたゴミ削減やエネルギー消費の削減、緑化推進やフードロス、リサイクル推進など、地域で今すぐ取り組むべき身近な環境問題をテーマにしています。開催期間も1日限りのものから数日間をかけて行われるものまで様々です。ここではイベントの規模などから主に政令指定都市や東京23区で2024年に行われたフェス・フェアなどのイベントを紹介します。
エコシティかわさきフェス2024(神奈川県川崎市)
「エコシティかわさきフェス2024」は、神奈川県川崎市の市政100周年記念行事として「かわさき生活クラブ生活協同組合」の主催で2024年4月と6月の2回行われました。4月はワークショップやスタンプラリー、緑化アートプロジェクトのインスタレーションなど、来場者全員が楽しみながら環境問題について学べるイベントを実施。6月には食とエネルギーに関する上映会とトークショーが行われました。このイベントは2024年度は4月と6月の2回実施されましたが、例年は6月に高津区を中心に実施されており、家族で環境問題について学べるイベントとして認知されています。
参考:川崎市市政100周年記念事業公式ウェブサイト | エコシティかわさきフェス2024
夏休み!ねりま環境まなびフェスタ2024(東京都練馬区)
「夏休み!ねりま環境まなびフェスタ」は2024年で3回目を数える参加・体験型のイベントです。練馬区の区民・産業プラザ「ココネリ」で夏休み真っ只中の7月に小・中学生と保護者を対象に行われました。「エコのヒントがザックザク!〜守るぞ!みんなの住む地球〜」というテーマのもと、展示ブースを「リサイクル」「エネルギー」「食のエコ」「みどり・生きもの」「おうちのエコ」「自由研究相談」の6つに分け、様々な体験学習を展開しました。1日限定のイベントでしたが1700人もの来場者があったそうです。練馬区のイベント情報は「練馬区観光情報サイト とっておきの練馬」からもチェックできます。
参考:練馬区地球温暖化対策地域協議会「ねり⭐︎エコ」 | 夏休み!ねりま環境まなびフェスタ2024
ECO縁日2024(大阪府大阪市)
「ECO縁日2024」は2024年11月に大阪市環境局が主催した環境イベント。「遊んで、笑って、体験して『いのち』はぐぐむ一日」と題し、有名企業が協賛するワークショップや自然農法で栽培された生産物が買えるマルシェ、ダンスパフォーマンスや音楽ステージなど、50を超えるブースが並ぶまさに縁日(祭り)のようなにスタイルで行われました。イベントを主催した大阪市環境局の環境学習ウェブサイトでは当日の内容の他、イベントレポートやこの先に開催されるイベント情報など、エコについて学べるヒントがあります。
参考:大阪市環境学習情報サイト「なにわエコスタイル」 | ECO縁日2024
\各地でいろんなイベントが開かれます/
討論会に参加できる|シンポジウム・フォーラム
環境問題のイベントの形態として「シンポジウム」や「フォーラム」があります。シンポジウム(symposium)は日本語で「公開討論会」「研究討論会」という意味で使われています。テーマに対して複数人の論者が異なる視点から意見を交換し、その発表を聞いた聴衆からの質問に答える形で行われるのが一般的です。同じような意味を持つ「フォーラム」は「フォーラムディスカッション(forum discussion)」の略語として広く使われ、元々は古代ローマの「集団討議」から来ているといわれています。シンポジウムやフォーラムの規模は様々ですが、ここでは2024年に行われたZ世代などの若者に向けたシンポジウムと、新聞社が主催した有識者が登壇する環境会議を紹介します。
渋谷環境シンポジウム2023
「渋谷環境シンポジウム2023」は、渋谷区が2023年と2024年の2回に渡って開催した、気候変動抑制に対する若者を対象としたシンポジウムです。第1回目は2023年11月に「シブヤ若者気候変動会議〜Z世代から渋谷への環境アイディアピッチ」と題して、渋谷区在住の10代・20代のメンバーが環境問題の「見える化」をテーマに渋谷の脱炭素化について議論を重ねました。
2回目は2024年2月に開かれ、気象予報士・防災士の池田沙耶香氏による基調講演に続き、シブヤ若者気候変動会議のメンバーらによる気候変動抑制に対する取り組みや活動報告、パネルディスカッションが行われました。渋谷区では2018年に公表された「渋谷区環境基本計画及び行動計画」に基づき、区の環境政策に関心をもち環境配慮行動や環境保全の取り組みにつなげる目的で、こうしたシンポジウムを開催しています。2023・2024年の内容はイベントの報告サイトからYouTubeでのアーカイブ視聴ができます。
参考:渋谷区 | 渋谷環境シンポジウム2023
朝日地球会議2024
「朝日地球会議」は朝日新聞社が主催する環境問題をテーマに掲げた会議で、2008年以降、毎年開催されています。2024年は10月25日から31日にわたってリアルセッションとオンラインセッションを織り交ぜて行われました。
会議では「持続可能性」「イノベーション」「国際関係・平和」「共生・多様性」をテーマに、国内外から研究者やジャーナリスト、企業のトップや環境活動家から高校生まで80名近くの出演者が講演やディスカッションを行いました。「朝日地球会議2024」の特設サイトでは2024年12月31日までオンライン・リアルセッション共にアーカイブ視聴ができます。(朝日IDの登録=無料が必要)
参考:朝日新聞社 | 朝日地球会議2024
子どもと参加できる|自然観察イベント
環境イベントとして、子ども連れやグループで参加しやすいのが海や山、公園などで行われる自然観察イベントでしょう。都道府県や各市町村、環境問題に取り組むNPO団体が主催する観察会などは身近な自然環境や地球温暖化による生き物への影響、生物多様性などについて身をもって学べると注目されています。その多くが無料または数百円など低額の参加費を募る形で行われますが、定員があり参加するには事前の申し込みが必要です。ここでは2024年に行われた稚鮎の放流などの川の水に親しむイベントと、通年を通して自然観察会を行っている東京都公園協会のサイトを紹介します。
来て、見て、ふれて〜水辺はぼくらのワンダーランド!〜(東京都青梅市)
東京都青梅市のイベント「来て、見て、ふれて〜水辺はぼくらのワンダーランド!〜」は、文部科学省・国土交通省・環境省が連携して推進する「子どもの水辺再発見プロジェクト」の一環で行われました。このプロジェクトは水辺の体験学習や環境学習を通じて、子どもたちが自然と環境の大切さを体感する機会を設け、豊かな人間性を育むことを目的に実施されています。2024年は市内を流れる多摩川での稚鮎の放流や川遊び、生物採取など多彩なイベントが行われました。青梅市では自然環境豊かな川原を「おうめ水辺の楽校(がっこう)」と名付け、水に親しんだり、生物多様性の重要性を伝える活動をしています。ウェブサイトではこの他、水辺の安全や生物について学べる学習動画も公開しています。
参考:青梅市 | 来て、見て、ふれて〜水辺はぼくらのワンダーランド!〜
やっぱり生き物がすき♡「自然観察会」(東京都公園協会)
東京都の公益財団法人 東京都公園協会のウェブサイトでは、都内の主要公園で行われる自然観察会などのイベント情報を掲載しています。サイトでは小金井公園などの公園名から「秋の自然観察会」や「樹木観察会」などのイベント情報にアクセスできます。その時期、募集のあるイベントには参加定員や参加日、応募申し込み締切や持ち物、料金が明記されているので、観察会に参加したい場合はこまめにチェックしましょう。なお申し込みは電話か各公園のサービスセンターの窓口で先着順の申し込みとなるのでご注意ください。
参考:公益財団法人 東京都公園協会 | やっぱり生き物がすき♡「自然観察会」
専門家の講演を聞く|講座・セミナー
講座やセミナーは先に紹介したシンポジウムなどと比べると「講演会」の意味合いが強いイベントといえます。気象予報士や大学の研究者などの講師が1人で話をするのが一般的で、地域の環境まつりや周年行事など1日限りのイベントもあれば、市民プラザなどで毎月1回、数ヶ月に渡って行われる講座など形も様々です。こうした講座やセミナーでは講師本人の専門性や人間性を生かした話が聞けることもあり、他では得られない臨場感あふれる内容も魅力です。ここでは参考として東京都大田区で2024年2月に実施された気象キャスターの講演会を紹介します。
大田区地球温暖化防止講演会〜気象キャスターくぼてんきと学ぶ地球温暖化〜
2024年2月に東京都大田区の池上会館で行われたのが「夏はどんどん暑くなるの?大雨や台風が増えるの? 気象キャスターくぼてんきと学ぶ地球温暖化」と題した講演会です。くぼてんきさんは日本テレビのお天気キャスターで気象予報士・防災士などとして活躍しています。
この講演会は「第23回エコフェスタワンダーランド」の環境講座として行われ、会場では実験やゲーム、ミニ講座などの体験型イベントや海の落語、海の授業など興味深い内容のトークセッションも行われました。講演会の募集要項では特に参加者の制限もなく、事前に申し込めば誰もが参加できる無料のイベントというのも魅力でした。大田区では例年、このようなイベントを開催し、区が運営する「おおた学びの森」サイトでは、環境に関する体験学習講座も数多く紹介しています。
参考:大田区 | おおた学びの森
\くぼてんきさんに聞く「天気と環境」/
イベントに行く前に知っておきたい身近な環境問題
この項目では、イベントに参加する前に知っておきたい身近な環境問題について紹介します。環境問題についてすでに知っているという方も、イベントに参加する際やシンポジウムで「あの問題ってなんだっけ?」という時の振り返りとして活用してみてください。
地球温暖化
18世紀後半から19世紀にかけて起こった「産業革命」は、石油や石炭などの化石燃料を燃やすことでエネルギーを作り、経済活動を発展させて来ました。近年、常態化している気温上昇などの問題は、私たちが毎日の生活で消費する大量のエネルギーによって大気中の二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが増えすぎたことが原因とされています。そこで政府は2050年までに温出効果ガスの排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」を実現を目指すとを宣言しました。
しかしこの11月に世界気象機関(WMO)によって2024年1月〜9月の世界平均気温と産業革命前の平均気温と比べた上昇幅がすでに1.54度を超えたと発表されたことから、このまま気温上昇が続けば、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が目指す上昇幅を1.5度に収める目標達成は極めて難しい状況までに追い込まれています。
\地球沸騰化という言葉も/
ゴミ問題
ゴミを削減することは、先に紹介した地球温暖化を防ぐためにも絶対に欠かせない行動です。ゴミを収集車で集めたり、ゴミを燃やすことで多くの二酸化炭素(CO2)が発生します。二酸化炭素はメタンガスなどと同様に、地球温暖化を加速させる「温出効果ガス」の1つで、増えすぎると地球全体が過剰に温められ、気温上昇や海水温の上昇、豪雨などの異常気象を引き起こすといわれています。家庭から出たゴミをすべて燃やしてしまうのではなく、資源としてリサイクルしたり、まだ使えるものを直して使う3R(リユース・リデュース・リサイクル)を徹底し、ごみを減らす努力を続けなければ、地球温暖化の解決はおろか大気汚染や水質汚染も改善することはできません。
\25のRを紹介/
大気汚染
ユニセフの報告によると2021年の時点で大気汚染が主要因で命を落とした人は世界全体で810万人にものぼるといわれ、5歳未満の幼児の死亡者数は70万人以上と、この年齢層では栄養不良に次いで世界第2位の死亡リスクとなることがわかりました。私たち日本人にとって大気汚染問題はすでに過去のものという印象があるかもしれませんが、世界では改善はおろかどんどんきれいな空気がなくなっていく状況が続いているのです。
解決の糸口としてはゴミを燃やさないことを筆頭に、発展途上国などでの工場の煙や山火事から排出されるPM2.5などの有害物質をこれ以上増やさないように環境問題について話し合うグローバルな会議などに注目し、みんなで改善のための努力を続け、そうした活動の手をゆるめないことが重要です。
\排気ガスも大気汚染の原因/
水質汚染
主に発展途上国では、急速な都市化と工業化によって未だに下水処理が適切に行われておらず、水源汚染が一向に解決できない主な要因となっています。生活排水や工業廃水の収集・処理や廃棄などがなおざりになり、汚染された水が未処理のまま河川などの淡水域や土壌、海などに流出し、水源を汚染し続けているのです。こうした水質汚染は、水辺に住む生き物の生息域をおびやかし、また海に排水が流れたりプラスチックごみが漂流することで、海の水質までもを危険な状態にさらしています。海洋プラスチックの問題は私たち日本人にも無関係ではありません。川や沼、海の保全に今後も継続的な取り組みが必要です。
\水質汚染についてもっと詳しく/
森林伐採
世界では今も森林伐採による環境破壊が続いているといわれています。2024年7月に公表された「世界森林白書2024」では、森林の減少は減速傾向にあるとしながらも、一方で気候変動の影響による森林のぼう弱化で、森林火災や病虫害の被害は拡大していると報告されました。森林面積の減り具合が遅いからといって、森林をめぐる環境が危機的状況にあるのは変わりません。森林の減少は地球温暖化を加速させます。また森林には有害な汚染ガスを吸収し無害化するなどの大気浄化機能があるといわれ、今よりも温暖化が深刻になることで、温室効果ガスの排出量が上昇すれば、絶滅したり数が激減する生き物が多くなるでしょう。森林伐採で生態系のバランスがくずれると、生物を媒介とする未知の伝染病が増えるなど、私たち人間の健康にも多大な影響を与えることが危惧されています。
\花粉症にも関わりがある森林伐採/
食品ロス
日本ではここ数年、大きな問題として「食品ロス(フードロス)」が取り沙汰されています。食品ロスとは売れ残りや食べ残し、賞味期限切れなど、まだ食べられる状態の食品が捨てられてしまったり、捨ててしまうことをいいます。我が国の食品ロスは極めて深刻で、家庭から出る食品ロスと、スーパーやコンビニ、レストランなどの事業系の食品ロスを合わせて年間472万トンにのぼり、これは国連の食料支援機関(WFP)が2021年に実施した食料支援約440トンとほぼ同じになります。貧困や飢餓で苦しむ人々に送られる食料とほぼ同じ量を食べずに廃棄しているということはこれ以上あってはならないことです。食品ロスは単にもったいないというだけでなく、廃棄されゴミとして燃やされることで二酸化炭素の増加を招いたり、食品の原料となる食材を外国から輸入する際、他の生産国の水不足を間接的に助長しているなど、たくさんの問題をはらんでいることを忘れてはなりません。
\日常生活の中でできる食品ロス対策/
環境問題がテーマのイベントに参加してみよう!
ここまで環境問題がテーマのイベントの種類や特徴、イベントに行く前に知っておきたい環境問題について紹介しました。この項目では、実際にイベントに参加するメリットやイベントを探すためにおすすめの公的機関のウェブサイトを紹介します。
イベントに参加するメリットって?
環境イベントに参加するメリットとしては、それまで個人的に取り組んできた節電やゴミ削減などのエコ活動をより最新の情報やアイデアにアップデートできたり、家族や友人、パートナーと参加することで、みんなで一緒にエコ活動の意識を高められる点が挙げられます。またお子さんのいる方はイベントの展示ブースから夏休みの自由研究のアイデアが得られたり、自然観察や環境保全活動など野外のイベントで、今まで見たことのない子どもの表情やたくましく成長した姿を見られるなど、新たな発見があるかもしれません。地球環境の未来を案じているなら、環境イベントへ参加する一択しかありません。
イベント情報のサイトを紹介
環境がテーマのイベントに参加したみたい!どんなイベントがあるのか知りたい!という方のために、主に公的機関のイベント情報サイトを紹介します。もしタイミング的にこれらのサイトから行きたい時期のイベントを探せない時は「環境イベント 〇〇県」などで検索をかけてみてください。各都道府県や市区町村の公式サイトに「環境イベント情報」がまとめられていたり、都道府県公認の環境問題に取り組む団体の情報がヒットすると思います。
TOKYO ecosteps
公益財団法人 東京都環境公社が運営するサイトのイベント情報ページです。「体験する」「自然に触れる」「気軽に学ぶ」の項目別に探すことができ、座学で学ぶ環境講座から自然観察会、エコ祭りなどの体験型イベントまで情報満載です。参加料が無料のイベントがほとんどなので、気軽に参加できそうな点でもおすすめです。
参考:公益財団法人 東京都環境公社 | TOKYO ecosteps
ECOネット東京62
オール東京62市区町村共同事業の「ECOネット東京62」のウェブサイトにある「環境関連イベント一覧」には、東京都62の市区町村の環境イベント情報が集約されています。千代田区を筆頭に八王子市や西東京市、遠くは離島の八丈町までの年間スケジュールを一覧で見ることができるので便利です。イベント内容も大小様々で、千代田区を例に見てみるとフェアなどの大型イベントから花苗の配布、連携協定を結ぶ他府県への森林体験ツアーなどがありました。東京都に住んでいなくても近隣の市区町村の年間スケジュールをチェックしたり、イベントに参加するために、友人や家族と計画を立てるなどの楽しみも見いだせそうです。
参考:ECOネット東京62 | 環境関連イベント一覧
環境らしんばん
環境情報のデータベースで、環境省と国連大学が共同で運営する地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)が運営母体となっています。GEOCでは持続可能な社会の実現のために必要とされる知識や技能を身につける研修やカリキュラム、プログラムの開発を行い、携わるすべての人々の情報交流を支援しています。「環境らしんばん」のイベント情報ページでは、北海道から九州まで全国47の都道府県のイベント情報が検索できる他、ボランティア募集やキャンペーンのお知らせ、また海外の国際会議や森林保全活動、農業体験などのエコツアー情報も掲載しているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
参考:環境らしんばん
2025年開催 注目の環境イベント
この項目では2025年注目の環境問題がテーマのイベントを3つ紹介します。国際的なイベントといえる大阪万博をはじめ、毎年行われている環境フェスティバルから、アースデイまで代表的なイベントをピックアップしました。また環境に関するイベントとリンクして環境に関する記念日や週間などのチェックもおすすめします。きっとあなたが行きたくなるイベントが見つかります。
EXPO2025|大阪・関西万博
いよいよ2025年4月13日から開催される「大阪・関西万博」。大阪市に新たに作られた人工島・夢州(ゆめしま)を舞台に10月13日までの184日間に渡ってパビリオン展示や国際会議などが繰り広げられます。期間中はテーマウィークと称して「食と暮らしの未来(6月5日~ 6月16日)」や「健康とウェルビーイング(6月20日~ 7月1日)」「地球の未来と生物多様性(9月17日~ 9月28日)」など環境問題に直結するテーマもあり、各国パビリオンや協賛企業などの展示やパネルディスカッションが行われる予定です。
参考:EXPO2025
アースデイ東京2025
「アースデイ」は1970年にアメリカで始まった世界最大規模の地球環境がテーマのフェスティバルです。日本では2001年に東京で「アースデイ東京」が開催されたのをきっかけに、今では当たり前となった「エコ」や「オーガニック」という概念が広がっていきました。自然エネルギーの普及やゴミを出さないイベントのあり方を提示するなど、環境をテーマにしたイベントの先駆けとしても一目置かれています。2024年は代々木公園イベント広場と宮下公園芝生広場の2か所で行われ、2日間で述べ9万8000人という前年を約3万人も上回る来場者を数えました。2025 年は4月19日と20日の2日間、代々木公園を中心に開催される予定です。
参考:アースデイ東京事務局 | アースデイ東京2025開催決定
京都環境フェスティバル2025
「京都環境フェスティバル」は京都府内の各地域で活動するNPOや学校、企業などが出展し、環境問題について学べる参加・体験型の環境イベントです。1990年から毎年開催され、2025年は2月1日に京都府総合見本市会館 京都パルスプラザで行われます。2024年は約70団体が出展し 約7000人が訪れたそうです。会場では工作体験や発電体験、クイズやゲームなどの催しや環境に配慮した安心・安全・地元産の食材を用いた飲食物など、環境意識を高め、行動につながるイベントとしても注目を浴びています。
参考:京都府 | 京都環境フェスティバル2025
環境に関する記念日・週間・月間を知ろう!
環境がテーマのイベントは環境に関する記念日や週間、月間に行われていることがあります。個々のイベントをチェックするのに限界を感じたら、こうした環境に関する記念日をもとに検索すると、自分の志向にマッチするイベントがヒットするかもしれません。
「水の日」や「緑の月間」など、名称は聞いたことがあっても、詳しい日付までは覚えられないという人には、環境専門の中間支援組織「東北環境パートナーシップオフィス(EPO東北)」のウェブサイト内にある「エコの日一覧」がおすすめです。日本国内と世界の環境にまつわる記念日などをわかりやすくまとめた資料ページで、1つ1つの日の内容を簡潔に紹介しています。気になる日をチェックしたり、その関連イベントに参加する時の参考にするなど「エコの日」を身近に感じるツールとしても活用できそうです。
参考:東北環境パートナーシップ「EPO TOHOKU」 | エコの日一覧
まとめ
この記事では2024年に行われた環境問題がテーマのイベントを振り返りながら、イベントの種類や内容、イベントに参加するメリットやイベント情報サイトの紹介、2025年注目のイベントまで、盛りだくさんでお届けしました。こうしたイベントに参加する機会や参加する人が今よりもっと増えることで、地球レベルの環境危機を「自分ごと」として捉えたり、できることをもっと続けようという意識の高まりにつながっていくと思います。
エコ活動の未来が今よりもっといい方向へ進むために、2025年も引き続き、環境問題の解決に向けて取り組んでいきましょう。
参考・引用文献
ユニセフ プレスリリース | 毎日約2,000人の5歳未満児、大気汚染で死亡(2024年6月)
国立研究機関開発法人 国際農林水産業研究センター | 951.水不足への解決へ〜水資源の拡充と多様化
林野庁 | 森林・林業分野の国際的取組
農林水産省 | 特集「食品ロスって何が問題なの?」(aff 2023年10月号)