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環境問題の解決にアニメが重要? 教育に生かすポイント、子どもにおすすめの作品10選

環境問題の解決にアニメが重要? 教育に生かすポイント、子どもにおすすめの作品10選

日本だけでなく世界全体で企業や家庭が環境問題の解決に取り組む潮流となっています。ただ、環境問題について実感が湧かず、対策に前向きになれない人々もいるでしょう。環境意識を親子共々向上させる解決策として、アニメが重要な鍵を握っています。

 

今回は、アニメが環境問題の解決に最適な理由をはじめ、アニメを環境問題の教育に活かすポイント、子どもにおすすめのアニメなどをお伝えします。環境問題を学ぶのに適した題材を探している親御さんや、環境教育にアニメを取り入れたい企業の方などもぜひ参考にしてみてください。

環境問題の解決に最適! 日本アニメが持つ世界観と表現方法

 

 

日本が誇るアニメは、実写映像にはない世界観や表現方法で、人種を問わず多くの人に感動を与えます。目をそらしてしまいがちな環境問題と向き合うのにも最適です。

 

まずは、アニメが環境問題を解決するのに適している理由がわかるよう、日本のアニメが持つ世界観と表現方法、海外でも愛される理由などについて解説します。

 

世界観

日本のアニメは、「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」、ジブリ作品の数々など、日本人の誰もが持つ日常の世界観を取り入れた作品が広く親しまれてきました。

 

日常を想起させる世界観の作品は、自分の生活と照らし合わせて視聴できます。環境問題に対するテーマを組み込めば、よりリアルに自分ごととして課題や対策を認識しやすくなる可能性が高いです。

 

実際に日本で起きた環境問題を想起させるアニメもあり、視聴後に自分ができることは何か、考えさせられることもあります。日本のアニメは環境問題を考えるのに適した世界観を持っているといえるでしょう。

 

表現方法

日本の昔のアニメは、簡易的な表現方法でどことなくコミカルな印象がありました。アニメの世界を完全に別世界として捉える方も多かったのではないでしょうか。

 

その点、最近の日本のアニメは精緻な表現が可能となっており、実際に日本の風景をありのままに取り入れる表現方法のアニメも増えてきました。

 

ファンは聖地とも呼ばれるアニメのモデルとなった土地を訪れてストーリーを追体験するなどして、アニメを深く楽しむようになっています。

 

日本のアニメの表現方法をうまく活用すれば、アニメの世界を現実とリンクさせることは容易だといえるでしょう。実際に環境問題が起きた現地を精緻に表現したアニメであれば、アニメを見た人々が実際にその場を訪れることで、より深く課題を肌身に感じ自分ゴトとして考えてもらえるはずです。

 

人々の環境意識を向上させるのに、日本のアニメの表現方法を活用しない手はないでしょう。

 

海外でも愛される理由

宮崎駿監督のアニメ映画「君たちはどう生きるか」が、海外で大ヒットしたことなどが話題となりました。また、日本のアニメキャラクターのコスプレをする外国人も珍しくなくなり、コスプレイベントに参加する方も多いです。

 

日本のアニメが海外から愛されやすいのは、幅広いテーマを取り扱っている点だといえます。アクションやSF、恋愛、戦争、ホラーなど例を挙げれば切りがなく、国籍を問わず外国人が楽しめるのでしょう。また、日本のアニメに登場する主人公は日本人とは限りません。異国を連想させる主人公も多く、外国人が違和感なく視聴しやすいのかもしれません。

 

環境問題は日本国内だけではなく世界にも根ざしています。すでにSDGsで定められた目標に向かって環境問題に世界で連帯して取り組む時代に突入しました。

 

世界の共通言語として日本のアニメを環境教育に活かせば、森林破壊や地球温暖化などあらゆる環境問題に対する意識を、地球規模で変えられるかもしれません。

 

 

アニメを子どもの環境問題の教育に活かすポイント

 

環境問題を解決するには、これからの世界を担っていく子どもへの環境教育が不可欠です。ただ、環境問題のような難しい話を子どもにしても、簡単には理解してもらえません。その点、アニメは美麗な映像や臨場感のある音声、先が気になるストーリーなどによって、直感的にわかりやすく環境問題の本質を伝えられる可能性を秘めています。

 

ポイントを押さえてアニメを活用すれば、本を読むのが苦手な子どもや、社会課題にまったく興味がない子どもにも、環境問題と向き合ってもらえるでしょう。

 

ここでは、アニメを子どもの環境問題の教育に活かす、作品の選び方について解説します。

 

ストーリー仕立ての構成

単に環境問題の現状や種類、対策のみをアニメで解説しても、実感がわかず興味を持てない可能性があります。

 

子どもに環境教育のアニメを飽きずに視聴してもらうには、ストーリー仕立ての構成のものを選ぶことが重要です。

 

アニメの世界の中でストーリーを追い、擬似体験をすることは、物事をより深く理解することに繋がります。子どもの教材サービスの広告でもストーリー仕立ての構成がよく使われています。勉強ができなかった子どもが勉強ができるようになった秘密を、体験のような話に仕立てて漫画にする手法がよい例です。教材に興味がない子どもでも広告を最後まで読んでしまうでしょう。

 

環境教育のアニメでも同様に、ストーリー仕立ての構成であれば、子どもに興味を持ってもらえるはずです。

 

内容が盛り込まれすぎていない

情報量が多いと考えることが多くなり、環境問題についても理解しづらくなります。環境問題を題材としたアニメを用意するなら子どもの年齢なども意識し、複雑すぎない作品を選ぶようにします。。

 

たとえば、登場人物や物語内の専門用語、ルールなどが多くなると、複雑で話についていけなくなってしまいがちです。内容は楽しめても作品を正確に理解できなければ、環境教育のツールではなく娯楽作品として終わってしまいます。

 

子どもの年齢や成長段階を踏まえたうえで出来るだけ1つのテーマのものを選ぶなどの工夫が大切です。

 

興味を引き付ける工夫がされている

アニメの質が高くても最後まで視聴してもらえなければ環境問題の重要なメッセージを伝えられません。最後まで視聴してもらえるように、興味を引き付ける工夫がされているものを選びましょう。

 

たとえば、冒頭に登場するキーパーソンの顔を隠し、謎を残して物語に引き込む作品は興味を引きつけやすいでしょう。

 

「あの人は誰なのだろう」「物語においてどのような役割を果たすのだろう」などさまざまな疑問が湧き起こり、視聴意欲が膨らんでいきます。

 

環境をテーマとしたアニメであれば、世界が荒廃した理由や、人類が滅んだ理由などを、視聴後子どもと一緒に考えてみるのも良いでしょう。理解の深め方は子どもによってさまざまなので、思い浮かんだアイデアを試してみてください。

 

子ども目線を意識する

大人は子どもよりも長く生きているため、環境問題に対する一定の知識があります。

 

環境問題に関する言葉や用語、光景などを知っている分、アニメに込められた環境問題のメッセージも浮かびやすいです。

 

子どもの場合は予備知識が少ないため、大人と違って環境問題のメッセージが伝わりにくい可能性があります。

 

実際に、小さな頃に見たアニメが環境問題に関係していたことを大人になって知るケースも珍しくありません。子どもでも環境問題の物語だと気づけるように、子どもの目線を意識して作品を選ぶようにしましょう。

 

 

\クイズに答えて子どもと環境問題を学ぼう!/

環境問題や自然環境をテーマにしたアニメ10選

アニメを子どもの環境問題の教育に活かすポイントをお伝えしました。アニメを子どもの環境問題の教育に活かしてみたくなった方もいるのではないでしょうか。

 

環境問題や自然をテーマにしたアニメは意外とたくさんあります。小さい頃に見たときには気づかなかっただけで、実は深いメッセージが隠れているケースも珍しくありません。

 

今一度、環境問題や自然をテーマにしたアニメをおさらいし、子どもと一緒に視聴できないか、環境教育事業に役立てられないか、検討してみることをおすすめします

 

環境問題や自然をテーマにしたアニメから、子どもにおすすめできる作品について10個ピックアップしてみました。ぜひ子どもの環境教育にお役立てください。

 

風の谷のナウシカ

 

腐敗の毒から守られている風の谷の王女「ナウシカ」が、腐海の謎に迫り人類と自然の共存を模索する物語です。

 

腐海によって荒廃した地球は現実世界の環境破壊による終末だという解釈もあります。

 

古い作品ですが、環境問題が身近になった現代に視聴すれば、深いメッセージが読み取れるかもしれません。子どもと一緒に見て感想を語ってあげたり、アニメを勧める機会を作ってみてはいかがでしょう。


[参考]風の谷のナウシカ(スタジオジブリ)

 

もののけ姫

神々の住む森を破壊する村に戦いを挑むもののけ姫「サン」と、死の呪いを解くために旅する若者「アシタカ」の物語です。

 

森を切り倒したことに怒るサンの存在をアシタカは知ります。村を襲撃したサンの戦いを止めようとしたアシタカは暴発した銃弾を被弾。森林破壊を巡る諍いのシーンは、現代の環境問題にも通じるものがありそうです。

 

まだ視聴したことがない大人の方は、子どもと一緒にストーリーを楽しみながら、環境問題について考えてみてはどうでしょうか


[参考]もののけ姫(スタジオジブリ)

 

崖の上のポニョ

海辺の小さな崖の上の一軒家に住む少年「宗介」と、クラゲに乗って家出した魚の女の子「ポニョ」の織りなす物語です。

 

「ポ~ニョ、ポ~ニョ、ポニョ魚の子」のポップな歌詞と曲は、大人でも自然に口ずさんでしまう音律であり、小学生や中学生などであればより興味を持つでしょう。

 

明るい音楽とは裏腹に激しい嵐による大洪水の描写シーンもあります。また、ポニョが海に捨てられた空きビンに体がはまっていたという事実から海洋ゴミ問題を連想する方もいるかもしれません。

 

子どもに環境問題を初めて考えさせるのに適したアニメだといえるでしょう。


[参考]崖の上のポニョ(スタジオジブリ)

 

平成狸合戦ぽんぽこ

平和に暮らしていたタヌキたちが、宅地造成による自然破壊を食い止めるために、人間たちに対抗する物語です。

 

ショベルカーが森林を開拓して狸が逃げているシーンもあり、環境破壊について考えさせられます。

 

同アニメでは動物サイドの視点が描かれているので、実世界では計り知れない動物の心理面について思いを寄せることもできます。

 

環境ドキュメンタリー番組では得られない視点を子どもに与えられるでしょう。


[参考]平成狸合戦ぽんぽこ(スタジオジブリ)

 

となりのトトロ

田舎に引っ越した小学生6年生のサツキと4歳のメイが、不思議な生き物トトロと出会う物語です。畑でトウモロコシを収穫したり、トマト・きゅうりを小川で冷やしたりするシーンなど、自然の素晴らしさを感じさせるシーンがきめ細やかに描かれています。

 

ちなみにアニメのモデルとなった舞台は、東京と埼玉にまたがる狭山丘陵だといわれています。狭山丘陵の自然を守るために、1990年から寄付金で森を買い取り、トトロの森と名付けて守る取り組みが行われています。

 

アニメ視聴をきっかけに親子で訪れれば環境教育になるでしょう。法人の担当者としても森を買い取って自然を守るという取り組みは、CSRの観点で参考になるのではないでしょうか。


[参考]ナショナル・トラストで守るトトロの森(トトロのふるさと基金)

 

ドラえもん のび太と雲の王国

雲の上に王国を作って遊んでいたのび太たちが、空の上に住む天上人の国に迷い込み、世界の真実に迫る物語です。

 

町の水没にドラえもんたちが巻き込まれたシーンは、大人子どもを問わず水害に対する危機意識を感じさせるのではないでしょうか。

 

ドラえもんが好きな子どもと一緒に見たり、アニメを勧める機会を与えたりすれば、環境問題に対する意識向上のきっかけを作れるかもしれません。

 

人類の運命をかけて天上世界に繰り広げられる大冒険をぜひアニメでご覧になってみてください。

 

つみきの家

水に沈みかけた街で、つみきを重ねるように伸びていく家に住む老人を描いた物語です。

 

家の中で床の扉を開けて釣りをするシーンや、朝起きたら床が水浸しになっているシーンなどが穏やかな描写で描かれています。

 

どことなく海面の上昇を想起させる作品であり、私たちが生きる地球の行く末も思い浮かべてしまいます。

 

老人はなぜひとりで暮らしているのか、子ども目線でも物語の続きが気になるかもしれません。環境教育の題材として活用を検討してみてはどうでしょう。


[参考]つみきのいえ(ムービー&TV)

 

天気の子

離島から東京に家出をしてきた男子高校生「帆高」と、祈ることで晴れにする能力を持つ少女「陽菜」の物語です。

 

天気を題材としていることから、直接的ではありませんが、人によっては気候変動や温暖化などを想起するような作品となっており、環境問題を考えるきっかけを得られるでしょう。

 

僕と彼女だけが知っている世界の秘密とは何か、天候の調和が乱れる時代で翻弄される2人の行く末について、子どもと一緒に視聴して確かめてみてください。


[参考]新海誠 最新作 天気の子(天気の子 製作委員会)

 

ウォーリー

人間たちが見捨てた29世紀の地球でごみ処理をするロボット「ウォーリー」の物語です。

 

ウォーリーは突如現れたロボット「イブ」と出会い、宇宙船にさらわれたイブを救うために未知なる宇宙に旅立ちます。コミカルなドタバタ劇を楽しめるので、子どもも興味を持って視聴してくれるでしょう。

 

瓦礫であふれ、さびれた地球の景色は、環境問題に対する意識も高めてくれるかもしれません。

 

ウォーリーとイブの運命の結末もぜひ子どもと一緒に見届けてみてください。


[参考]ウォーリー | 予告編 | (Disney+)

 

ロラックスおじさんの秘密の種

すべてが人工のプラスチックでできた街に住む少年テッドが、好きな女の子に本物の木をプレゼントするために、ロラックスおじさんが守る秘密の種を街にまこうと奔走する物語です。

 

本物の木がないという世界観のアニメは、森林破壊が進んだ未来を想像させ、環境問題について考えるきっかけを与えてくれるでしょう。

 

秘密の種を巡る夢と希望の大冒険を子どもと一緒に楽しむとともに、環境問題について考えてみてはいかがでしょう。


[参考]映画『ロラックスおじさんの秘密の種』予告(ユニバーサル・ピクチャーズ公式)

 

 

\子どもに読みきさせたい環境問題をテーマにした本をご紹介/

 

アニメをきっかけに子どもと環境問題について話してみよう

 

 

環境問題に関するアニメを子どもと一緒に視聴したときは、感想を語り合ってみましょう。

 

子どもだけではわかりづらい部分を補足説明すれば、環境問題に対する理解を深めてもらえます。

 

また、大人も子どもに感想を伝えるプロセスで、アニメの内容が記憶に残りやすくなります。環境問題についてうまく説明ができない部分があれば勉強の必要性にも気づけます。今まで行っていた対策が誤っていたことに気づくかもしれません。

 

環境問題のアニメ視聴をきっかけにいま私たちができること

 

 

環境問題のアニメは環境意識を高めるきっかけになります。ただ、視聴後に高まった環境意識は徐々に薄れてしまいがちです。結果として環境対策の取り組みを実施せずに終わるケースは多いでしょう。

 

環境問題のアニメを視聴したら、いま私たちができることを明確にして、実践に落とし込む必要があります。

 

たとえば、森林破壊に関するアニメを視聴したあとは、森林破壊を食い止める対策を調べて、自分ができることを考えてみましょう。

 

不必要な森林伐採を防ぐために、使用した紙を古紙回収に出したり、資料をデータで配布して紙の無駄使いを減らしたりする方法を学んだら、日常生活で実践していきます。

 

森林環境問題のためにできることについては、下記の記事でも詳しく解説しています。森林破壊に関するアニメを視聴した方は参考にしてみてください。


[参考]

持続可能な紙の利用と森林保全の関係は?森林環境問題のためにできること

 

 

\私たちができるゴミ問題について詳しく知る!/

まとめ

 

 

日本のアニメは深いメッセージを想起させる作品や、精緻な表現方法で作られた作品が多いです。ジャンルも幅広く世界中で愛されています。環境問題のシーンをアニメで表現すれば、日本だけでなく世界中で環境意識を高められるでしょう。

 

今回紹介したように環境問題を想起させる作品もさまざまあります。ほかにもたくさんのアニメがあるので、環境問題に関連する作品をご自身でも探してみてはいかがでしょう。

 

 

\よりリアルに学べる環境問題をテーマにしたドキュメンタリー映画をご紹介/

ライター

常木城伸(つねきしろのぶ)

ビジネスに特化したWebライターとして活動し、各社のオウンドメディアに記事を投稿。執筆テーマは環境問題やSDGs、DX、ESGなど多岐にわたる。水質関係第1種公害防止管理者やFP二級技能士、第三種電気主任技術者、基本情報技術者などの資格を保有

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