ヴィーガンレザーとエコレザーって何が違うの？｜1分で学べる環境問題

家族へのクリスマスプレゼントを探しているんだけど、できれば環境に優しいものを選びたいわ。この前「ヴィーガンレザー」について教えてもらったわね。「エコレザー」っていうものもあるみたいだけど、どちらも環境に優しいのかしら？

「ヴィーガンレザー」というのは、動物の皮以外の素材から作られたレザー風の素材を指すよ。レザー・革というのは、動物の皮を使ったものを指すと定義されているんだけど、別の素材を革のように仕立てたものが、一般的に「ヴィーガンレザー」と呼ばれるようになったんだ。

「ヴィーガン」って言葉はよく聞くわ。動物由来の食材などを避けることをヴィーガンというのよね。ファッションでも「ヴィーガン」って言葉が使われるのね。

そうだね。食事に関することのイメージが強いけど、「ヴィーガン」は日常生活の中でも使われる言葉だよ。
さっき出てきた「エコレザー」というのは動物の皮を使用したもので、環境に配慮した製造方法で作られたものを指しているんだ。つまりエコレザーは、「ヴィーガンレザー」と同じものではないんだよ。

同じものかと思っていたわ！エコレザーは環境には配慮されているけど、動物の皮で出来ているのね。ややこしいわ！

そうなんだ。ややこしくて消費者が誤解してしまうことが問題視されて、2024年3月「革」「レザー」と呼べる製品は、動物由来のものに限定するとJISで定められたんだ。元々イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、ブラジル、ポルトガルなどでは、法律で定義されていたから、日本ではISO（国際標準化機構）規格に則って、それに倣う形でJISが制定されたよ。「ヴィーガンレザー」という言葉は今後使われなくなっていく予定なんだ。

今後使われなくなるのね。本皮なのか、本皮じゃないのか、消費者側もよく理解して選べるようになっていくならよかったわ。

ところで、「フェイクレザー」という言葉もあるよね。環境に優しいイメージはあまりないけど、何か違いはあるのかしら？

フェイクレザーも動物の皮を使用しないレザーのことだよ。日本語では「合皮（合成皮革）」とも呼ばれているよね。織布の表面に塩化ビニルやポリウレタン樹脂をコーティングして、皮の風合いを再現したものは「フェイクレザー」と呼ばれてきたんだ。

動物には優しいかもしれないけど、環境のことを考えると積極的に選びたくはないわよね。化学繊維は洗濯する時や廃棄する時、環境負荷がかかるものね。

そうだね。本革とは違って経年劣化していく素材だから、長持ちせずゴミになってしまうという点は環境にはあまりよくないかもしれないね。それと「フェイクレザー」という呼び方も、さっき紹介したJIS規格によって、今後は使われなくなっていくよ。

レザー風の素材があることはわかったけど、動物の皮を使わない素材には種類があるのかしら？

さっき紹介した合成皮革、不織布にポリウレタン樹脂などを浸透させた人工皮革があるよ。他にも最近注目されているのが、植物由来のものだよ！(※)

前にりんごの皮を使ったレザー風の商品を教えてもらったわよね！

その通り！植物由来のものにも、植物を主原料とした樹脂を使用したものや、りんごやぶどう、サトウキビの加工品を作る際にでた搾りかす・端材をアップサイクルしたものもあるよ！

植物由来で、さらに加工品の端材をアップサイクルした商品！環境に配慮するなら、積極的にそういう商品を選んでいきたいわね！

ちなみに、天然皮革の中でも、エコレザーは食用肉から切り取られる皮など、再利用された素材を使っているそうだよ。製造・輸送・販売・再利用のサイクルの中で環境面で影響が少ないと認められているから、動物の皮（本革）を使った商品が全て環境に悪いとは言い切れないかもしれないね。どんな時に使いたくて、どれくらい長持ちさせたいものかを考えて選べるといいよね。

なるほどね。確かに、製造の時に環境負荷が少なくて、さらにお手入れして長く使える商品を選ぶのも大切なことよね。よく考えて無駄にならないよう、家族にも相談してみようっと！